プラトンとの哲学――対話篇をよむ (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店 (2015年7月23日発売)
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感想 : 21

 倫理を授業でまなんだときには、それほど自分のなかにしみ込んできたものとは思えないが、これを読むとプラトンの哲学が自分にこれほど共感するとは!と思う。
 とはいえ、これは入門編。
 入門編ながら、そんな傲慢な自分さえも赤裸々にさらけだしてでも真理を追究したくなる【哲学】って、おもしろい!

~抜粋、覚書として。P162~
「支配者層における「家族制廃止」という提案。「私の子ども、私の家」と思う心が私利私欲の牙城となり、他人より家族を贔屓することで不正が助長されます。家族という狭い枠組みが廃止され、ポリスの同胞が互いに親兄弟として接する共同体ができれば、私たちが私欲によって他者を虐げたり、不正に分け前を取ったりすることはなくなるのかもしれません。
 ~中略~
 プラトンさん、あなたはおそらく私たち一人ひとりの魂は独立の存在であり、親であれ子であれ、それぞれが個人としてこの世界で偶然につながりを持ったに過ぎない、そう見ていたのではないでしょうか。家族とか家とかいう思い込みを離れて、人間が個人を尊重する社会、あなたの発想は究極の「個人主義」にも見えます。尊厳とは、そのような個々の存在と人格を認めあうことにあるからです。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: まなび
感想投稿日 : 2015年9月17日
読了日 : 2015年9月17日
本棚登録日 : 2015年9月17日

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