勝負論 ウメハラの流儀 (小学館新書)

著者 :
  • 小学館 (2013年10月1日発売)
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感想 : 58
5

あらゆる企業マン、あらゆるフリーランサーの言葉よりも、今の私の立場・意気込みに近い言葉が聴けた。同人音楽家として頑張る全ての人にも送れる言葉が沢山溢れていました。良書。

"負けて叩かれることに耐えられないなら最初から勝負の世界で生きることを選ばない方がいい、と僕が強調する理由は、別にそれがいいとか悪いとかいう話ではない。"

音楽では「負け」というのははっきりしない、が、一方的に「あいつは負けた」と言って叩きのめそうとする人が現れる。「人々を楽しませたい」と思って音楽を作っているだけなのに、何故、叩かれるのだろうと昔から思っていたけれど、叩かれるのだから仕方ない。理不尽であっても、そういう時にはこの言葉を思い出して耐えるしかないでしょう。

"それでも自分が成長を実感できていれば、絶対に負けではない。そのまま突き通していくほうが、よりレベルが高い作品を描けるようになるだろうし、結果としてより高い評価を得ることも出来るだろう。そのときは、もしかしたら本人が死んだ後かもしれない。でもそれは、運の良し悪しにすぎない。現実の生活とどう折り合いを付けるのかは永遠のテーマだが、自分が成長できているかどうかを最終的に評価できる人物は、自分しかいないのだ。"

"僕は、この時に自分にとってのゲームを再発見した。得意なもの、特別な能力を発揮できるものが存在するということは、なんてありがたいことなのか!ゲームと初めて出会ってから17年以上たって、僕は初めてゲームをすることの価値を見出した。"

"逆に、注目されているから、評価されているからといって、必ずしもそれが凄いこととは限らない。"

"実はこの、「好きだけど不向き」という状態が、最強の状態を作り出すきっかけになることがあるのだ。"

"でも僕は、それなら音程が取れてリズム感が完璧なら、歌手としてこの上ない成功が得られるのか、聞く人を感動させることができるのかと聞いてみたい。きっとそんなことはないはずだ。"

"僕が相対的な体力に優れていたというのは、もともとあった才能だ。そしてもともとあた才能について、その存在理由は考えない。「どうして自分は体育が得意なんだろう?」「何で俺は腕相撲で負けないんだ?」とは考えないのだ。なぜなら、自発的につかみとったものではなく、当たり前に存在しているだけだからだ。"

"キーワードは、分解と反復である。しっかり学ぶと決めた以上は、面倒でも一度全てバラさなければならない。例えば僕が新しいゲームを習得するにあたって、ある一連の基本的な動作ができないとする。ここで大切ななのは、「どうすればいち早く結果を得られるのか?」という発想をなるべくしないことだ。それは一見早そうでいて、実はかえって効率も要領も悪くなるという結果を招く。大切なのは「自分は何ができないから結果が出せないのか。」という考え方である。"

"だから、分解・反復が得意な人にはスランプらしいスランプがない。不調に陥っても、新しいことに対応できていなくても、分解することによってなぜそうなっているかを探ることができ、反復練習で克服できるからだ。そしてそれを本人がわかっているからこそ、精神面でも追い込まれることはない。"

"基礎固めであっても、トンネル抜ける瞬間が来るのは、本当に直前になるまでわからない。…(×)… 急にふわっと視界が開ける。"

"ドリブルしながら敵をかわしてジャンプし、性格なシュートを放つ一連の動きによって点を取ることが大切なのに、自分がジャンプする際の形だけに特別なこだわりを感じ、てこばかり磨き始めてしまうような場合だ。そこにこだわりすぎれば、当然全体像がぼやけ、最後には見失ってしまう。さらに重症になってくると、「俺はジャンプにこだわっている。点を取れるかどうかなんてその後の結果でしかない」と考え始めてしまう。"

わかる…わかり過ぎて怖い…

"同時に、決してしてはいけないことがある。それは、自分を人と比べないことだ。"

どうすれば自分と他人を比べないようになれるのか、昔に比べれば大分比べなくなったように思う。

"今の僕は、よくぞ孤独に耐えて頑張ったなと自分をほめてやりたい気持ちでいっぱいだ。そして、その「ご褒美」を受け取っている。それは0.1%の人たちとの出会いだ。意地を張り通し、孤独に耐えぬいたからこそ手に入れることができた、本物の人間関係だ。"

"いつ報われるかなんて、考えなくていい"

凄い

"したがって、いつ成果が出るかを考えるのも、いつまでにどんな成果を出そうかと考えるのも、今の僕にとってはおごりにしか思えない。"

"今成長を続けている人、これからしてみようと考えている人に僕が言えるのは、「厳しい期間は、思ったより長い」ということだ。"

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 激ヤバ鬼マスト
感想投稿日 : 2014年1月2日
読了日 : 2013年10月24日
本棚登録日 : 2013年10月23日

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