生まれた時から暴力を嫌というほど目にして、公権力には全く頼れず、頼りたいとも思わず、自分の哲学に添って、ただ自分だけを拠り所として善悪を判じ、それに準じて行動して生きてきた。女を憎む男たちをたくさん見た。ごく稀に、好感を持つ人はいたが、リスベットはほとんどその身を孤独に置いてきた。恋の相手が、自分と友人関係を望んでおり、また、一晩の相手なら不自由することがない、だがそれが唯一の信頼できる相手というのは、なんて痛みだろう。
『ドラゴン・タトゥーの女』上巻真ん中の時点では、リスベット・サランデルに人間味はあまり感じなかった。そこに憧れ、感心した。
しかし、使われない客間のベッドを見て自嘲するシーン、ひとり己の内側のみで誰からの理解も諦めて闘っていた過去が明かされたシーンには、胸が痛かった。
現在夜の1時。
読み終わったのでやっと寝られる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説【借り物】
- 感想投稿日 : 2012年5月1日
- 読了日 : 2012年5月1日
- 本棚登録日 : 2012年4月28日
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