ふと、容子に話しかけようとして、われに返り、「そうか、もう君はいないのか」と、なおも容子に話しかけようとする。
城山さんの自伝、か。
妻の容子さんとの出会い、そして死。
ひとり残された城山さんの生き方が描かれている。
正直タイトルでグっときて借りて読んだんだけど、
正直に言うと泣いた。やっぱり電車じゃなければ涙流してた。
もっと言えば通勤中っていうね。お前今から仕事やんって!
人を愛するっていうのは、好きだとか愛してるとか言葉で伝えることじゃない。
ただ、私はあなたが必要なんです大切なんですって伝わるようにすることなんだよな。
すごく羨ましい。たった一度の人生で、読み手にこれほど幸せだった半生を送ってきたこと、
これほどまでに愛せるたった一人のひとと出会えたこと。
そしてそれを文字で伝えられること。羨ましい感情以外になにがあろうか。
だから、注ぐ対象がいなくなった時、ひとはぬけがらのようになるのだろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2010年11月1日
- 読了日 : 2010年11月1日
- 本棚登録日 : 2010年11月1日
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