つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語 [DVD]

監督 : 行定勲 
出演 : 阿部寛  小泉今日子  野波麻帆  風吹ジュン  真木よう子  忽那汐里  大竹しのぶ 
  • TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
2.65
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本棚登録 : 154
感想 : 31
2

行定勲監督、同•伊藤ちひろ脚本、井上荒野原作、2013年作。

<コメント>
•最後の第5章以外は、あまり意味がないストーリー。豪華キャスト満載感を出したかったのかな。
•艶という女性を描くのに、艶を見せないで、周囲の人を中心に映画を組み立てる仕立てらしい。それは、艶とつながりを持った人々との関係性が、艶にスポットを当てるよりもよく描けるということらしい。
•しかしそうであるならば理屈倒れ。各ストーリーが全く陳腐すぎる。そんなネタについていくら周囲を描いても、艶がどんなだったかが伝わってこない。
•そういう描き方をしたいのなら、別の原作を選ぶか、換骨奪胎するほど脚本で再構築する必要があるが、そこまでの情熱もなく、ただ有名どころをキャスティングし、商業主義に走った駄作。こんなことをしているかぎり、邦画はどんどん堕落する。おぞましい限り。

<あらすじ(ネタバレ)>
第1章 艶の最初の男の妻
行定監督によればテーマは「意地」。
松生春二(阿部)は不治の病いで病床に伏す艶の夫で看病に明け暮れる。大島の「ペンション松生」の経営者。艶の死期が近いとのことで、知り合いに電話するも誰も来てくれず。艶が12歳の時に襲ったいとこの小説家石田行彦(羽場裕一)も同様だった。この章は石田が賞を取り、そのパーティに来た愛人の伝馬愛子(荻野目慶子)が妻の石田環希(小泉今日子)と取っ組み合いの喧嘩をする話。
第2章 艶の最初の夫の恋人
テーマは期待。
艶と24年前に別れた元夫の太田(岸谷五朗)には、不動産会社に努める彼女、橋本湊(野波麻帆)がいた。社長とも不倫関係にある。それだけの話。
第3章 艶の浮気相手の妻
テーマは失望。
艶と浮気をしていた夫を1年前に自殺で亡くした橋川サキ子(風吹ジュン)が夫のメールのやり取りを見て、大島の松生に会いに行く。現実を知りたいけど知りたくないサキ子は、松生からメールのやり取りをきかされ失望のあまり嘲笑する話。
第4章 艶にストーカーされていた男の恋人
テーマは悲哀。艶は大島でスナックを経営する青年、茅原優(永山絢斗)のストーカーだった。その彼女、池田百々子(真木よう子)のもとに、萩原ゆかり(藤本泉)が優との間に息子(光)を連れて尋ねて来る話。
第5章 艶と駆け落ちした男の妻子
テーマは寛容。
松生は、山田早千子(大竹しのぶ)と結婚し、麻千子(忽那汐里)をもうけたが、8歳のときに艶のもとに家出する。麻千子は男女関係にウブで、大学で安藤教授(奥田瑛二)にその意味を聞きに、隠れ家バーに行き、そのままホテルへ。事が終わった深夜、帰宅した麻千子は早千子と大島に行くことにする。病床の艶を見た早千子が胸をはだけると、いくつかの歯形がついた出血が。それをやり過ごし、松生に怒るでもない。松生と母の態度に納得行かないが麻千子は男女関係というものがわかってくる。
ラスト、艶が死に、葬式に来たのは看護師とその子だけだった。棺の小窓から、松生、看護師、子が覗き込む様子で幕。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2017年12月7日
読了日 : 2017年12月7日
本棚登録日 : 2017年12月7日

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