主人公の翻訳家と海外のベストセラー作家の娘さんとの絡みは、なかなか面白い設定でした。
テーマは「コウモリの愉楽」コウモリは主人公の山名順一に、言わせると翻訳家の例えです。
言い換えれば「翻訳家の愉楽」と言ったとこでしょう。
兼業主夫で翻訳家稼業の山名潤一が過去に心通わせた今は亡き南米出身作家との縁と因果を通じてイギリス人有名作家の娘アガサ嬢は平凡な山名家にホームステイすることになります。
そして順一とアガサが共通の南米出身作家への想いを介してラストは一波乱です。
大手出版社の辣腕編集者の思惑も絡み面白みに味付けがされています。
山名順一の親友翻訳家も面白く物語を引き立てます。
生活環境からすれ違う山名夫婦の機微が、ありがちな夫婦関係として描かれていますが、山名夫婦の日常は一般的夫婦としては逆さまにぶら下がった関係です。
まさに「コウモリの愉楽」というテーマとの関係描写が的を得ており興味深く読ませていただきました。
読後感=鳥でもなく獣でもなく、さかさまにぶら下がって・・・・
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読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年5月17日
- 読了日 : 2012年5月12日
- 本棚登録日 : 2012年5月16日
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