戦場ジャーナリストが経験した修羅場での食事の記憶を中心に、紛争や内戦の惨さを綴った記録。とりたてて食事シーンや料理の描写が詳しいわけではない。1片のパンや1杯のお茶にありつくに至るドラマや舞台背景に多くの字数を費やしている。
生きるか死ぬかの瀬戸際を過ごす戦場であっても、メシは食わなければならない。そんな戦禍の中の日常行為(?)に、当事者(現地の市民や兵士)の本音が表れる。現地の人々は、概して大儀や理想のために戦うのではなく、その日を生き延びるために戦っているという。
アフガニスタン、サラエボ、アルバニア、チェチェン、イラク…つい最近(あるいはリアルタイムで)の出来事である。我々が茶の間から見るテレビのニュース映像から得る「情報」と、現場に居た人間の「体験」の間の大きな隔たりを感じさせられる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新書 社会系
- 感想投稿日 : 2012年5月24日
- 読了日 : 2012年5月24日
- 本棚登録日 : 2012年5月22日
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