19世紀末のヨーロッパの再キリスト教化をキリスト教の、そしてヨーロッパの全面的批判につなげたニーチェの思想、及びその受容をめぐる論集と称してよいだろうか。とにかく話の中心にはニーチェがいるのだが、その論点は帝国主義、理性、歴史哲学、プラトン、知識人の役割など多岐に渡る。そうしたものの現代における意義は、ニーチェ思想抜きには語れない。その意味で、ニーチェの一義的解釈という呪縛は超えられるべきかもしれないが、ニーチェ思想全体は未だに思想史のアポリアとして我々を苦しめ続けるのだろう。
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- 感想投稿日 : 2011年4月24日
- 読了日 : 2011年4月24日
- 本棚登録日 : 2011年4月15日
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