宇田川町で待っててよ。 (Feelコミックス オンブルー)

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著者 : 秀良子
haruさん BL   読み終わった 

気持ち悪い君が本当に気持ち悪かったのだけれど、差し引いても可愛かったし、おもしろかった。
女装氏が(も)まだ自分のことでいっぱいいっぱいだったのに救われたのだろうな、と思った。
気持ち悪い君、ラッキーな男だ。

女装氏を見かけた後、
彼はゲイなのかとか、
ゲイではない女装なのかとか、
性同一性障害って聞いたことあるけどなんだっけとか、
気持ち悪い君がさっそく調べていたのが可愛かった。
素直だな、と。

じゃあ付き合って、も、てれてれととっ散らかっていて
そこも本当に可愛い。

しかし、
脅迫ダメ・絶対。
あと、「知らねえよ」とか言っていたけれど
姉ちゃんの洋服勝手に漁って勝手に持ち出すのもダメだ。
そりゃ「キモ」て言われるわ、と思った。
姉ちゃんも、女装じゃなくてそっちがキモかったのでは、と思ってしまった。
……ただでも、
高校生男子で女子の服欲しいって言ったらああいう手段になってしまうよね。

姉ちゃんのON・OFFの豹変ぶりはステキ。

女装氏は、
本当に、自分のことでいっぱいいっぱいで
正直、数センチの距離関係になるまで
自分の性癖とか性欲とかのことはいっぱい考えていたけれど
気持ち悪い君自体には
ほとんど全く関心がなかったはず。
持て余している
性癖・性欲との付き合い方が手探りだから、
気持ち悪い君への諸々もあんなに手探りだったのだろうな、と。
本当に可愛い。
下着も女物だったらいいな。

でも、あの、
ごめんなさいしながら
こわい、こわい、もう勘弁してください、っていう、あのシーンは、
もう本当にどうしようかと思いましたよ……。
気持ち悪い君が、さすがに止まってくれてよかった。

こわい、の理由はその後描かれていたけれど
あのシーンの女装氏の様子は
ちょっと、なんか耐えられなかった。
ガチすぎて。
ガチすぎるせいで、あまりにもアレで素直に5つ☆つけられないのだけれど、
間違いなく今作の巨大な魅力でもある、という。
複雑な気持ち。


以下、女装氏を見ていてゲイについて考えたこと。

同性愛って生まれつきのもの、らしいけれど
(あまり好きな論ではない。後天的だったら悪いの? 的な意味で)
それでも
「まさか自分がゲイだなんて」
から入って
「あんまり恋愛に興味ないかも?」とか
「……もしや自分、バイ?」とかって葛藤を繰り返し、
葛藤の中、とりあえず女子とやってみたりもして
それでやっと
「……自分、ゲイ、なの、か?」
という自認になったりするケースって、
とても多いと思うのだ。
特に、男性同性愛は嘲笑され
女性同性愛者なんて不可視化されているようなこんな国では
「まさか自分が」という意識が先に立つことも多いと思う。
自認できたのは思春期があけてから、というセクマイの
なんと多いことか。
夏樹さん(『リンゴに蜂蜜』『彼のバラ色の人生』など)の様に
小さい頃から自覚している人ももちろんいるけれど
今作の女装氏と同じ、高校生くらいで
こういう葛藤をする子は多いはず。

と、思って読んだので
とてもドキドキしていた。

ラスト、女装氏があの表情で本当によかった。

可愛らしい絵柄で「うわ、これはけっこう……」みたいなことも
さらっと描いてくれている秀良子さん。
今回もステキなお話しでした*^^*

レビュー投稿日
2012年10月26日
読了日
-
本棚登録日
2012年10月26日
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