タイトル(カタカナでアキハバラや、"@")からしてあんまり期待できないけれども、ちゃんと石田衣良を読んでみるかと手にとったのがこれ。
秋葉原のメイド喫茶にたまっている、オタク仲間がつるんでなにか作ろうというストーリーからして、浅そうでしょ?浅いです。時代的に2001年のADSL/クリアG3 Macの頃の話なので、今からその時代を見てしまうと、どうしても浅くならざるをえないのかもしれないけれども、とにかく秋葉原の街の描き方が雑。
聞きかじったり資料を集めたりしたコンピューター用語も、全く小説の血肉になっていなくて、「○○って何?」「○○とはなんとかのテクノロジーを応用した…」と登場人物に説明させてしまうわけで、それ以上触れないのなら、説明せずに触れておくだけで良かったんじゃないかというレベル。
中盤から「GoogleやYahoo!に負けないサーチエンジンを」とか言い始めるあたりも、マンガじゃないんだからと、逆に冷めてしまった。せいぜい日本ローカルの話にしてしまえばよかったのに。
浅い話なので、するすると滑るように読みやすい。バラエティー番組でしゃべっている石田衣良そのものという感じで、そこんとこは許せる所。
ただ、いちいち章や段落が終わるたびに「このことがのちのち彼らの運命を左右することになろうとは、予想だにできなかった」というような安っぽい引張り方は、星2つくらい減らすのに十分なくらいに目に余る。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ファンタジー
- 感想投稿日 : 2014年12月1日
- 読了日 : 2014年11月28日
- 本棚登録日 : 2014年11月28日
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