火車 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1998年1月30日発売)
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感想 : 2960
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すごかった。
知らない世界だった。

人の生まれ育ち…両親が借金地獄、サラ金に追われているだけで子供の未来はこんなにも悲惨なものになるのかと思った。
(目ぼしい人を殺して、戸籍をのっとって別人になることによってサラ金に追われなくてすむとか…)

今は法律などきちんとしてて、そういうことはなくなっていると信じたいが…。
この話が1980年台の話で、私が生まれたときでさえこんなにも世の中は残酷なものだったと思うと、今は生活保護など守られてるなぁ…というか守られすぎてるなぁとも感じた。

母子家庭で、母が鬱という診断を受けるだけで生活保護がもらえるというこの制度にも疑問を感じるが、この本に書かれている残酷な世間ではなくなったんだとちょっと安心したりとにかく複雑だ。

否、でも生活保護を知ると「がんばるほうが損じゃん~」なんて下衆な人間もいるし、嗚呼hukuzatsu...

容姿、学歴、能力がないものは弱者なのか…?
それなら、がんばったもん勝ちの世の中が私は理想だ。

今までどう生きてきたかではなく、今をどう生きているかを見てくれる社会になればいいなぁと、私も容姿、学歴、能力がないのでそう思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年5月27日
読了日 : 2015年5月27日
本棚登録日 : 2015年5月27日

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