想像を絶する凄い昭和初期の作品を読んでしまいました。
川端康成先生から注目された北条民雄さんは、自らハンセン病を患いながらも、闘病の中から生命の尊厳を見つめ続けた小説家です。
ハンセン病は、癩(らい)病と呼ばれていた疾患で伝染力が非常に低いにもかかわらず、治療方法が見つかっていなかった昔は、差別対象で隔離され、病の神経障害が原因で生じる咽頭機能障害は呼吸困難を誘発するため死に至ることもあったそうです。
この作品は、生に対する魂の叫びが描写されています。
病院は、生命絶えるまでの終着駅であるようで、入院患者は癩(くず)れかかった人間と言うよりは呼吸のある泥人形と化していきます。
なんと物凄い世界だろう・・・。看護婦さえいない・・・。
付添人は同じ癩病患者だ!
苦悩や絶望は最早通り越している!それでも進む道を発見して努力して下さいと書かれていました!
この作品を勇気をもって読んで頂きたいです。
辛くても、きっと希望が持てる作品だと思いました。
残念ながら良書なのに絶版本なので、リンクを貼りましたが取り寄せになり、青空文庫で良ければ読む事が出来ます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本純文学
- 感想投稿日 : 2013年10月9日
- 読了日 : 2013年10月9日
- 本棚登録日 : 2013年10月8日
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