以前から読みたかったセオドア・レヴィットの論文集。古いものは1950年代の論文だったりするので、古典でも読むつもりで読み始めたのだが驚いた。半世紀以上前に書かれたものとは思えないほどに的確且つ分かりやすいマーケティング論が展開されている。
今でもよくマーケティングの説明の際に用いられる「顧客はドリルを買うのではない、ドリルを使って作る穴を欲している。」という説明。製品ではなく、顧客に体験を買わせるという視点。製品を売る時は、同時にサービスも売らなければならなくその重要性は今後増していくという視点。今でこそ良く言われるが、これがそんなに昔に書かれていたのは本当に驚いた。
例えば最近の方向性がおかしいと言われている任天堂。この本に書かれている通りに解釈をするのであれば、任天堂は「ゲームを作っているのではない、エンターテインメントを提供している」と考える事が出来る。そう考えるとDSやWiiが目指している方向や、元々が花札メーカーである事も繋げて考える事が出来ると思う。(むしろ、ゲーム機のライバルと張り合おうとした64やゲームキューブの方がぶれていると考えた方が当て嵌まりが良い。)
ただ、最後の方に補填としてマーケティング論以外の著者の論文が纏められているのだが、こちらの方の切れ味が良くない。マーケティング論ほど納得感が感じられない。おまけとしては割かれているページ数も多いし、蛇足だったのではないかなと思う。
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- 感想投稿日 : 2009年2月27日
- 本棚登録日 : 2009年2月27日
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