深川安楽亭 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1973年12月4日発売)
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本棚登録 : 189
感想 : 19
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初期作品から、周五郎の最後の完成作品である「桝落し」まで満遍なく収集された短編集です。全体の出来は中の上くらいでしょうか。
こうして初期から後期までの作品を並べられると、山本周五郎が成長しつづけた昨夏であると良く判ります。一つの作品を読むと、それが何時頃書かれたものなのか、想像がつくようになります。初期の作品群には、やや修身的な色合い、説教臭さのある作品が集められています。これらの作品は直線的で、底が浅い感じがします(後期に比べてですけど)。それに比べ後半の作品は、流石に重厚感があります。ただ暗い色調なのが残念なのですが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史・時代
感想投稿日 : 2017年10月30日
読了日 : 2005年11月10日
本棚登録日 : 2017年10月30日

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