かんじき飛脚 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2008年9月30日発売)
3.77
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本棚登録 : 316
感想 : 36
3

1)そもそもの設定に無理がある->宴の直前に内室急病という言い訳で十分通る。
2)最後の襲撃シーンが変->もっと簡単で有効な襲撃の仕方があるし、それはこの本の中でも使われている。

いきなり欠点を上げるのも気が引けます。しかし、有る意味これらは些細なことかもしれません。先日読んだ「大誘拐」も突っ込もうと思えば突っ込むところが有ったはず。でもそれが気にならないのは、物語そのものが面白かったから。逆に、この作品でそうしたアラばかりが目に付くのは、作品としての力が下がっているからだと思います。
中には良いシーンもあるのです。特に中盤はなかなか読ませます。でも何だか書き急いでる、もっと言えば書き捨てているという感じを受けてしまうのです。
デビュー当時の山本さんは一球入魂というか、必死さのようなものが伝わって来ていました。最近はどんどんその力が無くなっているように思います。
折角力のある作家さんなのに、残念です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史・時代
感想投稿日 : 2008年11月7日
読了日 : 2008年11月7日
本棚登録日 : 2008年11月7日

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