安楽病棟 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2001年9月28日発売)
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本棚登録 : 629
感想 : 65
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最初に一人一人の入院までの過程が短編風に語られ、その後、病院での生活風景が続き、最後にサスペンス。「閉鎖病棟」によく似た構成でできています。
この人の文章はよほど私の波長と会うのでしょうか、導入部では一気に没入できました。しかし、祖父や母のことを思い起こさせる中盤はちょっと辛い。延々と痴呆の実態がつづられます。なんだか一種のルポルタージュみたいです。何がテーマなのか、どうエンディングにつながるのかと心配した頃、いきなりサスペンスに変わります。
サスペンスが書きたかったのか、痴呆と言う社会問題を提起したかったのか、どちらにしても中途半端な感じは否めません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 一般
感想投稿日 : 2017年11月10日
読了日 : 2003年7月20日
本棚登録日 : 2017年11月10日

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