エンデュミオン・スプリング

  • 新潮社 (2006年6月29日発売)
3.17
  • (8)
  • (4)
  • (29)
  • (11)
  • (0)
本棚登録 : 114
感想 : 22
3

現代のイギリスと1450年代のドイツとを舞台に描かれる歴史ファンタジー。

交互に描かれる世界をつなぐ一冊の革表紙の本。

主人公はいずれも普通の少年。

ワクワクするような設定だ。定番のファンタジーと言えるけれど,マニアックな読書オタクの心をくすぐる仕掛けが沢山散りばめられている。人間同士の感情や言葉のやりとりにもう少し色があっても良いように感じたけれども,このままでも充分にそれぞれのキャラクターの魅力は伝わってくる。

訳の問題か,少々回りくどかったり,わかりにくい表現も少なくない。移入に時間のかかる人もいると思う。

私は特に1950年代ドイツの章が好きだ。魔法と歴史と切なさがつまっている。史実に基づいたファンタジー程夢を与えてくれるものは無い。それが真実では......?と思わせてくれる。

朝の八時まで読み耽ってしまった一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: YA(海外男性作家)
感想投稿日 : 2012年8月9日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年8月9日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする