気候変動とエネルギー問題 - CO2温暖化論争を超えて (中公新書 2120)

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  • 中央公論新社 (2011年7月22日発売)
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1章の気候変動に関する分析は良い。環境問題への反省も含めて一読の価値はある。
2章以降のエネルギー問題の提言等は、現状においては、必ずしも地に足の付いた議論とは言いがたいが、研究者という立場としては普通の構成だろう。勿論技術的なブレークスルーに過度に依存するのはあまりに危険だが、さりとて枯渇する資源利用に固執しなければならない理由など無いのだから、研究は尊重すべきだ。
もっとも、クライメートゲート事件を通して、学術研究にすらバイアスが大きくかかりうる事が明るみに出た以上、これから環境問題を考えていく上で求められるのは、専門家ではない我々の判断の成熟さかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年3月13日
読了日 : 2012年3月13日
本棚登録日 : 2012年3月13日

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