内容紹介を表紙裏から転載します。
『クリスマスイブの日、父さんは、冷たくなって帰ってきた。
いつも持っていたヴァイオリンがない。どうしてこんなことに・・・・。
主人公の少女テレジアは、勇気を持って父の死の謎に立ち向かうことを決意する。18世紀の音楽の都ウィーンを舞台にしたスピード感あふれる冒険ミステリー。』
私が好きな、元気な女の子が頑張る話です。フィクションですが、作曲家ハイドンや皇帝ヨーゼフ二世、女帝マリア・テレジアなど実在の人物が出てくるので時代の雰囲気が感じられます。
テレジアのお母さんは、自分が恋愛結婚をして貴族から飛び出てしまったのに、娘にはお見合いで結婚相手を見繕おうと考えていることに、私は納得できません。息子に必要なお金を工面するために、娘が大切にしていた楽器を売り払ってしまうし。
そんなお母さんに不満を抱きながらも、もうすぐ生まれる妹か弟のためにお母さんに精神的負担をかけないように気を使うテレジアが好きです。
テレジアも相当頑固で、弟トビーを引っ張りまわしますが・・・・。トビー、そんなに素直で心優しい子でこれから大丈夫か?とちょっと心配。
陰謀が暴かれ真相が明らかになって女帝が知るところになっても、すぐに解決にならないところがリアルでした。女帝や皇帝でも貴族との力関係があり、思い通りに動くことは出来ないのです。
庶民に対しては、証拠捏造でもたちまち重い判決が出るのに。
水戸黄門一行が、印籠を掲げてたちまち悪を懲らしめるというのと大違いです。
スピード感があってとても面白く読みました。
- 感想投稿日 : 2010年11月8日
- 本棚登録日 : 2010年11月8日
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