25年ぶりに舞台を尾道から長野に移して大林監督本人がリメイクした作品。
でも、別のお話だと思った方が良いと思います。
前の尾道では女の子のほうが転校生だったけど、こちらでは男の子のほうが転校生でした。
入れ替わる場所は、女の子のお家である蕎麦屋さんが水を汲んでいる泉ね。
入れ替わる前の演技は学芸会みたいだったけれど、入れ替わり後は、そもそも違和感があって当然なので、主役2人の演技はそれほど気にはならなくなりました。
しかし、基本的に演技は主演の2人も含めて、清水美沙さんとか石田ひかりさんとか下手が人が多い。
ギャクなのかシリアスなのかわからない部分もあるし、最後のほうとか寅さん映画みたくなっていたけど、それでもやっぱり最後の最後の「さよならあなた。」ってセリフで中年組は泣かされていました。
それは「若いっていいな…」という、自分もかつては持っていたけれど今は失ってしまった、当時はその価値に気づいていなかったものへのせつない憧憬なんだよね。
若さはほんの一時だけ神さまからもらった宝物みたいなもので、時は流れていくのみで、けして逆戻りはできないというせつなさとか(この部分は同じ監督の『時をかける少女』と対になりそうだね。)いろいろなことを感じさせてくれるお話でした。
ただね…。
ヒロインの病気は現代医学ではわからないレアなものではなく、急性白血病とかもっとリアリティのあるもののほうが良かったかも…。
いきなりだったし、そこで「やっぱりファンタジーか!」ってなっちゃって、ちょっと感動が薄れた感があったよ。
演出はベタだし、演技もイマイチだし、カメラワークも斜めばっかりな風景シーンがあざといな~って思ったりもしたけれど、せつなくて印象的な物語でした。
- 感想投稿日 : 2016年8月28日
- 読了日 : 2016年8月28日
- 本棚登録日 : 2016年8月28日
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