- 乱と変の日本史 (祥伝社新書)
- 本郷和人
- 祥伝社 / 2019年3月1日発売
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フランスの哲学者コジューヴは「人間の歴史を学びたいなら日本の歴史を学べ」と言ったそうで、「我々は最高のテキストを持っている」という信念?から、いくつかの乱と変について、背景・構図・経過・結果を論じたもの。
「我々は最高のテキストを持っている」と言われるとそうなのかもしれないような気もしてくるし、その理由や視点にも妙に説得力や面白さが感じられるのが著者の不思議な魅力ではある。ただし、著者の「科学としての歴史学」という考えには少々疑問もあるので、その辺は割り引いて読む方がよいのかと。
2024年3月11日
- やってはいけないキケンな相続 (角川新書)
- 税理士法人レガシィ
- KADOKAWA / 2018年3月9日発売
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弁護士や税理士は遺産分割協議をまとめることは難しいというのが盲点だろう。考えてみれば当たり前の話なんだが、頼めばどうにかなると思っている人も多いのかと。2018年時点の情報なので法的な細かな部分で古い所もあるかもしれないが、内容的には今後に備えてエッセンスを押さえておくことは可能と思われる。
2024年3月10日
- 歴史の予兆を読む (朝日新書)
- 池上彰
- 朝日新聞出版 / 2022年6月13日発売
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政治や思想とは無関係の「常識の目(歴史の目)」で突き放さなければ、天皇制も民主主義も危ないという保阪氏の発言は学者ではない歴史作家ならではという印象。肯定はしないが。
その他、保阪氏による昭和史の小ネタは知らない事もあって参考になる部分はあるものの、そもそも対談相手が池上彰では釣り合わないというか、話がかみ合ってない。まだTV番組で共演していた関口宏の方がマシだったかも。あまり期待はしていなかったが、予想通りだった。
2024年3月10日
- 人類の物語 Unstoppable Us どうして世界は不公平なんだろう
- ユヴァル・ノア・ハラリ
- 河出書房新社 / 2023年10月24日発売
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小学生向けにしてはやや難しい。かと言って大人が読むには説明がクドイというか幼稚でデキとしては中途半端。とは言え、ザックリした人類史の流れは把握できるので、中学生ぐらいにはちょうどいいかもしない。ただし、著者独特の解釈や史観に思える部分もそれなりにあって、決して教科書的ではない。悪い意味で。
2024年3月9日
- つながらない覚悟 (PHP新書)
- 岸見一郎
- PHP研究所 / 2023年12月16日発売
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エッセイ風なテイストなので読みやすいが、心理学&哲学を踏まえつつも、ややイデオロギー的な偏りも感じられるので、その辺をどう評価するかが問題。
概ね常識的な内容でそんなに変な事が書いてあるわけではないが、「共同体」と「国家」の関係は簡単に割り切れるものでもないのかと。だから人は悩むのだろうけど。
2024年3月9日
- 箱根駅伝は誰のものか: 「国民的行事」の現在地 (1043;1043) (平凡社新書 1043)
- 酒井政人
- 平凡社 / 2023年11月17日発売
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読み応えがあるのは書名にもなっている4章と将来展望の5章。ここを膨らませて1冊の本にすればいいのにと思う。読売系以外のTV・新聞メディアももっと問題に切り込んでいけばいいのにと思うが、「スポーツビジネスの闇」は構図的にはどこも一緒で、ブーメランになるだけなのかもしれないが。
2024年3月8日
- 遺伝と平等:人生の成り行きは変えられる
- キャスリン・ペイジ・ハーデン
- 新潮社 / 2023年10月18日発売
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冒頭から左翼学者を公言している点でバイアスがあることに留意して読まなければならない。事実と価値は本来別物ではあるのだが、自身のイデオロギーを持ち込んでその辺を混ぜ合わせている点でわかりにくい内容ではある。
とはいえ、トランスサイエンスの時代では事実と価値は切り離せず、トータルで論じる必要性もあるわけで、その辺が厄介なところではある。
遺伝学と優生学は違うものではあるのだろうが、それも定義の問題だろう。いくら両者の違いを述べたところでアレルギー的反応はある。よって、本書は解決策を提示している書というよりも、様々な問題提起をしている書として読むのが適切だろう。
2024年3月2日
- 河合栄治郎「学生に与う」現代版 現代の学生に贈る
- 西谷英昭
- 北東アジア総合研究所 / 2011年4月1日発売
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安倍晋三が評伝を愛読しているとかで、ちょっと有名になった河合栄治郎だが、まだまだその存在は知られていない。反共主義的なところが戦後思想界でウケなかったかららしいが、現代だからこそ読まれる思想家であると思う。
本書は『学生に与う』の「学生生活」部分だけを抜粋し、大学関係者や会社経営者らが短いコメントを寄稿するといった体裁で、所謂「河合思想」が紹介されているものではないが、学生向けの導入本としてはよいのではないかと思う。ただし、内容的にはやや時代錯誤的な部分もあることに留意。
2024年2月29日
- 国家は巨大ITに勝てるのか (新潮新書 1012)
- 小林泰明
- 新潮社 / 2023年9月19日発売
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新聞記者の書いた本なので取材記事が中心で深い考察があるわけではない。しかも内容的にも古いので、ここ数年のGAFAと政府との関係の歴史を概観する分には参考程度にはなるというレベル。
2024年2月26日
- 日本史で読み解く「世襲」の流儀
- 河合敦
- ビジネス社 / 2023年10月20日発売
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偉人でもなのか?偉人だからなのか?後継ぎを育てる難しさがよくわかる。まあ、継ぐ方も色々と大変なんだろうが。親鸞の話がイチバン印象的だったかな。
2024年2月25日
- 完全保存版 日本の城1055 都道府県別 城データ&地図完全網羅!
- 大野信長
- 西東社 / 2022年11月7日発売
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一般向けとして一見よさげに見えるが『名城を歩く』に記載されている国指定の城が掲載されていないといった難点がある。そもそもこの種の本はどういう基準で掲載の取捨選択をしているのかもわからないが。
2024年2月19日
- 東大生が教える「戦争の終わり方」の歴史 (星海社新書)
- 東大カルペ・ディエム
- 星海社 / 2023年10月25日発売
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いくつかにパターンわけされているのだが、そんなにキレイに分類できるはずもなく、実際には複合的な要因が大きいように思える。
わかりやすさを重視して、ザックリ理解する分にはよいのだろうが、内容的には薄いし歴史解釈として少々怪しい部分もある。
2024年2月17日
- 生成AIの核心: 「新しい知」といかに向き合うか (NHK出版新書 705)
- 西田宗千佳
- NHK出版 / 2023年9月11日発売
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どちらかと言うとテクニカルな内容なので、技術面や産業面に興味関心のある人向け。逆に言うと、社会的・文化的な影響等々に関心のある人には不向きと思われる。
2024年2月17日
- “いまの世界”がわかる哲学&近現代史 プーチン、全体主義、保守主義 (マガジンハウス新書 019)
- 茂木誠
- マガジンハウス / 2023年9月28日発売
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保守主義者とリバタリアンによる対談で政治思想史的内容。学術書には書かれていないような新たな知見があったが、それらの解釈が妥当かどうかは別途検証が必要なのかと。
2024年2月17日
- 南京事件と新聞報道 記者たちは何を書き、何を書かなかったか
- 上丸洋一
- 朝日新聞出版 / 2023年10月20日発売
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歴史は選択されるので「何を書き、何を書かなかったか」はどんな著作にも言えるし、本書も例外ではないということは留意する必要がある。
2024年2月13日
- 弁護士が教える気弱なあなたの交渉術 (だいわ文庫) (だいわ文庫 G 293-1)
- 谷原誠
- 大和書房 / 2015年3月12日発売
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ハーバード流は理性的な相手にしか通用しないという理由から『影響力の武器』における社会心理学を応用。交渉関係の書籍は数多出版されているが、色々と読み比べてその時々の状況に応じて使い分ける必要性があるということを認識。
2024年2月12日
- 教養の人類史 ヒトは何を考えてきたか? (文春新書 1431)
- 水谷千秋
- 文藝春秋 / 2023年10月20日発売
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短大の教養科目の書籍化で、専門バカにならぬように横断的な知を身に着けることを目的とする内容。その重要性については同意するが、ざっと読んだところでは、女性天皇と女系天皇を混同していたり、心身二元論の説明が間違っているように思えた。専門家がチェックしたらもっと間違いがあるのかもしれない。この辺が「知的ゼネラリスト」の弱点ではあるのだろうが。
2024年2月10日
- 死後を生きる生き方 (集英社新書)
- 横尾忠則
- 集英社 / 2023年10月17日発売
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スピリチュアルで宗教的なアーティストらしい内容。普段この種の類の本はあまり読まないのだが、そういう人にこそ読んで欲しいという著者の巻頭言により最後まで読み通すことができたし、内容的にも面白かった。元々中学時代から横尾忠則には興味があり、作品展等にも行った事があるというのも影響しているとは思うが。
2024年2月9日
- アントニオ猪木とは何だったのか (集英社新書)
- 入不二基義
- 集英社 / 2023年9月15日発売
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玉石混交という印象。アカデミック?に猪木を語る事の是非はあるだろうが、学者の書いたものは概ねよかったように思える。好みの問題だろうけど。
2024年2月3日
- やさしくわかる! 文系のための東大の先生が教える バイアスの心理学 (文系のための東大の先生が教えるシリーズ)
- ニュートンプレス
- ニュートンプレス / 2023年10月11日発売
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そもそも心理学って文系科目のような気がするのだが、書名にバイアスがあるような、ないような。内容的には一応わかりやすさを意識してはいる印象なので読みやすいと思う人もいるだろうし、やや記述がクドイと感じる部分もあるので読みにくいと思う人もいるかもしれない。
2024年2月1日
- 戦国争乱-「桶狭間の戦い」から「大坂の陣」まで (ムック)
- 中央公論新社
- 中央公論新社 / 2020年11月5日発売
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主要な合戦をビジュアルに解説。9割以上は現地に行った事があるので、とてもイメージしやすく復習になる。三方ヶ原と金ヶ崎と忍城水攻めを入れてもよかったのかと。
2024年1月31日
- だまされない〈議論力〉 (講談社現代新書)
- 吉岡友治
- 講談社 / 2006年8月18日発売
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「議論力」というよりは「思考力」「論理力」的内容で、単なるノウハウ本ではない。題名でちょっと損している印象だが、内容的には悪くない。
2024年1月28日
- 大軍都・東京を歩く (朝日新書)
- 黒田涼
- 朝日新聞出版 / 2014年12月12日発売
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「天皇は軍に囲まれて住んでいた」という著者の興味関心が伝わってくる。戦前昭和は忌避されることが多いので、あえてそれにテーマを絞って解説しているのは貴重。
2024年1月23日
- 昭和史の現場 (青春文庫)
- 太田尚樹
- 青春出版社 / 2015年2月10日発売
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226事件と阿部定事件の対比。ゾルゲ事件を取り上げているのも特徴的。単なるガイド本ではなく、1つ1つの事件を結構詳しく取り上げており、それなりに読み応えがある。
2024年1月23日