誤算 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 310
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043866014

作品紹介・あらすじ

前夫のために蓄えも職場も失った看護師、川村奈緒は、資産家の老人・鬼沢の住み込み看護師となる。財産を狙い鬼沢の死を望む一族を冷ややかに傍観する奈緒だったが、鬼沢との結婚話が持ちかけられ――

感想・レビュー・書評

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  • 松下麻理緒『誤算』角川文庫。

    第27回横溝正史ミステリ大賞・テレビ東京賞受賞作。東京女子大学心理学科を卒業した同期の女性2人が共同執筆した作品。

    テレビの2時間物のサスペンス・ドラマに有りがちな陳腐なストーリー。横溝正史ミステリ大賞の本賞ではなく、テレビ東京賞受賞というのも頷ける。年老いた資産家の遺産相続を巡る骨肉の争いと殺人事件を描いたミステリー小説である。すんなり読めるが、納得出来ない展開があったり、苦笑する程の歯切れの悪い結末とミステリー小説としてのレベルは低い。

    35歳の看護師・川村奈緒は一時の気の迷いで結婚した敏也が借金を作り、行方をくらましたことから、勤め先の病院を退職し、敏也の借金を清算、住んでいた部屋を引き払う。行き場が無くなり、働き先を探していた奈緒は資産家の鬼沢丈太郎という76歳の老人の家で住み込み看護師となる。

    鬼沢家は丈太郎が厳しく支配し、成人した娘や息子は丈太郎の遺産を当てにして暮らしていた。さらには丈太郎の妾の子供、西山恵太が奈緒に財産目当てで丈太郎との結婚をそそのかすなど、丈太郎の莫大な遺産を巡る一族の骨肉の争いが描かれる。

    本体価格640円(古本7冊で127円)
    ★★★

  • 扉の解説から結末はなんとなく予想できるのだが、それでも主人公の置かれた立場がのっぴきならない状況になるところは先が気になってあっという間に読んでしまった。

    それにしても、もし主人公の誤算がなかった場合の展開を想像すると、ちょっとしたホラーより恐ろしい事態になったわけで、わかりやすすぎるストーリーと精密に構成された設定が絶妙の組み合わせになっている。

    非現実的なトリックや無理のある動機で強引などんでん返しを仕掛けるミステリーよりよほど面白かった。

  • お金のを得るために人はこんなにも醜くなれるのか、と思った作品。現実にこんな家族はいてほしくないし、お金があれば幸せになれるものでもないとも感じた。全体的にはおもしろかった。

  • まあまあ、だった気がする。最後はボケてあ〜あ言っちゃった。という感じ。

  •  第27回横溝正史ミステリ大賞・テレビ東京賞を受賞した作品。
     男運もなく、前夫のためにほぼ全ての財産を失った看護師の再就職先は、一代で財を築いた資産家の住み込み看護だった。重い病気を患い、生きる希望も失いつつある資産家をしっかり看護してはいたが、それを取り巻く娘たちは遺産を狙い、早く死ぬことを願っている。
     そんな折、主人公にも遺産相続のチャンスが訪れ、相続争いに引き込まれていく。
     多額の遺産を巡って、欲望渦巻く人間模様が面白い。誰もが黒く思えてしまい、信用すべき人間が見えなくなってしまう展開に引き込まれてしまう。

  • 元夫のために全てを失った看護師の奈緒。大資産家の老人の家で住み込みで看護の仕事に就くことになり、遺産争いの渦中に巻き込まれていくことになる。場面もお屋敷の中での舞台のように流れていく。サスペンスだとしたら少し薄い感じがしたけれど、読みやすかったし面白かったです。

  • タイトルを意識しながら
    なにがどんな風に"誤算"なのか考えながら読んだ

    お金が絡むと人間嫌な部分が浮き彫りになる
    みんな怪しかったしみんな悪い人

  • 最初は遺産相続に絡む骨肉の争いがメインかと思いきや、奈緒が丈太郎から結婚を申し込まれてからストーリーは急展開を迎える。個人的には奈緒の苦労がもう少し報われても良かったのではとも思うが彼女にとってはまずまずのハッピーエンドなのかもしれない。
    松下氏の作品を読んだのは2作目だが、今回はストーリー展開もスムーズで色々な『誤算』があり題名の妙味を感じた。松下氏の作品をもう何冊か用意してあるので読んでみてこの作者を追いかけるか考えたいと思う

  • 01月-11。3.0点。
    夫に家出され金も持ち逃げされた看護師、ある富豪の住み込み看護師に。
    遺産を狙う娘たち、愛人の子、気の弱い富豪の長男やらに囲まれる。

    2時間ドラマのよう。あっさり読める。
    いろんな「誤算」があり、最後は少しヒネっていた。

  • 2時間ドラマでありそうな内容。タイトル『誤算』から結末を予想しながら読んだけど、ありがちな登場人物に遺産をめぐる思惑…それでもあっという間に読了。

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著者プロフィール

東京女子大学心理学科同期卒の二人による共同執筆。『誤算』で第27回横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞を受賞。

「2020年 『偽画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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