こちらに収められている『くるま宿』という作品がとても好き。
時代劇といっても明治維新後が舞台。主もちではない人力車車夫の話。ごろつきめいた車夫が多い中、少し年をとっていて寡黙で穏やかな車夫がおりまして、ある車夫どうしの喧嘩を鮮やかに仲裁したことから、彼の素性が知れます。
維新で貧に耐えながら武士らしく筋を通している男と、維新後の新しい世の中になんとなく乗っかった男の後ろめたさがテーマなのかなぁ。
小品ですが、武士ってつらいねと、じんわりと感動。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
時代小説
- 感想投稿日 : 2013年7月5日
- 読了日 : 2013年7月5日
- 本棚登録日 : 2013年7月5日
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