ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由

  • エクスナレッジ (2011年7月29日発売)
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シモニデスが生み出した暗記術・・・それは場所法と呼ばれるものであった。そして、それが中世ヨーロッパの基本的な学問術でもあった。

以上のことは最近勉強を始めた「修辞学」の概説で学んだ。修辞学においても暗記というものは重要な技術のひとつであった。

その歴史から概観を始めている点に好感がもてる本。タイトルは「あ、ばったもんくせー」って感じだけど、本屋で手にとってざっくりと目を通したとき、クインティリアヌスとかシモニデスとかきちんと語っていそうなので購入。そして、一気に読んだ。

マインドマップで有名なトニー・ブザンも「暗記術」の復活に貢献した人物である。そして、それは彼が中世ヨーロッパに伝わる「暗記術」に根本をおいて生み出したことも説明されている。そして、それを補強するためにマインドマップも生み出されたのだ。

そのようなつながりも面白い。ジャーナリスティックな視点を失っていない。サヴァン症候群についてもしっかりと取材している。なので、人間の「記憶」と「記憶術」の歴史について、そして、学校の教育システムについても概観できる。

よい本です。

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感想投稿日 : 2011年9月30日
本棚登録日 : 2011年9月30日

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