表紙やタイトルはすごくファンタジーっぽい感じなのだけれども、どんでん返し系のミステリーというギャップに惹かれ読了。
初めて読む作家さんだったが、どの話も非常に読みやすかった。
どんでん返しのタイプもそれぞれ違って、「おもしろかったか?」と聞かれれば「おもしろかった」と答えられるのだが・・・後味はどれも良くない。
ぞぞっとした怖さが残る。
「恋煩い」
おまじないなんて、可愛らしい話だなと思っていたら、大間違い。
三角関係なんだろうなー。この子勘違いしてるんだろうなー。というのはすぐに分かったものの、そういうどんでん返しになるとは。最後の最後でゾクッときた。
「妖精の学校」
めっちゃファンタジーだな、と思ったら最後の数字を調べた時、現実にありえそうな話だと気付いて戦慄。
彼は、その後どうするのだろう。なんとかして逃げ出そうとするのだろうか?
「嘘つき紳士」
振り込め詐欺かー、嫌な主人公だなぁ、と思ったら、それ以上にひどい奴がいた。
これが一番リアルにありえそうな話だ。サスペンス劇場でやってそう。
「終の童話」
これは文句なしのファンタジー。触れるだけで人を石化させるバケモノが出てくる。
主役の男の子の想いを思うと切なく、「犯人」の言い分もよく分かるため、リドルストーリーではあるものの、後味は一番良かった。きっと、あっちを選んだんだよね?
「私たちが星座を盗んだ理由」
表題作。これまた切なく、どんでん返しというより、種明かし。
主人公の彼女の葛藤は分からなくもないし、責められるほどではない。
けれど、最後の最後は・・・可哀想になぁ。そこまで書かなくてもいいのになぁ、なんて思ってしまった。
- 感想投稿日 : 2016年7月23日
- 読了日 : 2016年7月23日
- 本棚登録日 : 2016年7月23日
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