「科学」という言葉の使い方について考えさせられる本。
日ごろ、仕事においては、
マネジメントとかモチベーションとか変革とか、
いわゆる人や組織の行動、心理について考えることが多い。
にもかかわらず、「科学的検証」や「科学的手法」など、
そういう言葉が使われることがよくあり、
そのときの「科学的」は「合理的」「正しい」が含意されている。
自分にはどうしてもこれが納得できなかった。
「科学的」という言葉にかこつけて、正しさを押し付けているような、
そういう感覚がつきまとっていた。
科学哲学という学問は、そういう絶対的科学信仰に対して、
そもそも「科学」とは何か、今のところ完全な定義はない、
ということを教えてくれる。
極端な学説だと、道具主義とか相対主義とか、
ちゃんと科学を職業にしている人への冒涜かと思えるものもあるが、
この本は比較的ニュートラルに書いており、結論は留保している。
ちゃんと自分で考えて最後まで読めば、
「科学的」に検証されたと自称する本質的に非科学の理論に対して、
冷静な目で見ることができるようになるだろう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年6月26日
- 読了日 : 2013年6月24日
- 本棚登録日 : 2013年6月25日
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