経営学というのは比較的新しい学問である。その端緒は20世紀初頭のテイラーにさかのぼる。この本では、テイラーの科学的管理法から、イノベーション、学習する組織、スタートアップあたりまで、百家争鳴の経営理論を、流れるように理解させようと試みている。
基本的には、ここに出てくる理論、手法についてはオリジナルの本で読んでおくべき。そうしないと、筆者の解釈が刷り込まれてしまい、自分で学ぶと得られたかもしれない発想や着眼が得られないおそれがある。
その上で、この人の解釈はまあ面白い。科学的に分析できる、ベストプラクティスがある、結局はセンス、などの潮流が巡り巡るさまは、経営理論なんて実務家には必要ないな、なんて感じさせる。ただ一つ惜しい点は、最後のほうで筆者の三谷さんの戦略ツールを自慢げに披露している点である。いろんなツールの寄せ集めで、そぎおとすものもそぎ落とさず、これじゃ使ってもらえないなと感じる。
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- 感想投稿日 : 2014年10月2日
- 読了日 : 2014年8月19日
- 本棚登録日 : 2014年10月2日
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