乱読の足跡
tomoclipさん
西條剛央+ふんばろう東日本支援プロジェクトおたより班
大和書房 (2012年03月10日)
社会・思想 読み終わった
ふんばろう東日本大震災支援プロジェクトのひとつ「おてがみプロジェクト」の活動は物資でも情報でもない、思いを伝えあう支援。しかしなんとコトバにするのが難しい「思い」なのだろう。相手(被災者)を前にしてコトバは無力で何もいえない・・と思ってしまうのに...
森 博嗣
講談社 (2010年10月26日)
エンタメ 読み終わった
「学問には王道しかない」。勇者が歩くべき清く正しい本道。美しいとはそういう姿勢だと、純粋素朴な追求をする科学者たち。 若き日の熱い思いを絶やすことなく継続することの困難・・。美は一瞬にある。 「オトナになるってこと」をしない人の持つ時間を羨望す...
森本 草介
求龍堂 (2012年03月)
画集 読み終わった
ホキ美術館の看板・・。 女性の美しさ、静物画の静謐、それらをつなぐ明るい光。 セピア色の過ぎ去りし日々の思い出に浸るための装置。
幻冬舎 (2012年02月24日)
家族の物語。家族は時代の中で生息する一見幸福にみえるどこにでもあるような事象。この「相田」=間が問題だ。 父母の生き方の心象が、子どもにペーストされていく不思議。 そして家族間でも不可思議な「あいだ」がある。そんなことを思った。近代の家族像を描い...
小池 昌代
本阿弥書店 (2011年12月)
ことばの妖しい魅力に捉われ、それでもコトバを使い、言葉の中に沈潜し、また浮かび上がる。人はことばから離れられない。
朱野 帰子
幻冬舎 (2012年01月13日)
海洋冒険小説ってものを私は初めて読みました。 未知なる海底に立ち向かう研究者、そしてパイロットたち。 まるでアニメを見るようですが、なかなか興奮します。愉しみました。 そして再読しました。これは震災で被災したみんなに向けてのエールです。海に関わる...
白山米店お母さん
ミシマ社 (2011年03月10日)
生活・文化 読み終わった
読み終わったけれど、レシピで料理していない。 この本を読む・・ことは作り食べなければ完了しないのです。 おいしそう、こんなに丁寧に、作り手の愛情こめて作った食べ物をゆっくり味わうのは、こころが満たされる。 日常的な普通のごはんのありがたみ、この...
益田ミリ 平澤一平
ミシマ社 (2010年10月30日)
絵本 読み終わった
母親は「はやくして!!」とつい子どもに向けて言ってしまう。はやく行動を移せ、ぐずぐずするな、はやくしてほしい(自分の都合で・・)。 しかし人間は急いではいけない。じっくり周囲を観察し、辛いおもいも味わい、最後にはみんなですすむことが大切なんだとわ...
ミシマ社 (2011年09月22日)
写真集 読み終わった
「たったひとりでここまできたよ」から「ここにくるまえもらってきたよ ぼくのちからがはいっている」そして「おしえあいっこしながらすすもう」まで、もう涙がでてしかたなかった。 愛されている、愛している・・自信をもってみんなで力をあわせて生きていこう、...
ショーン・タン 小林 美幸
河出書房新社 (2011年03月23日)
なんて凄いんだ!!絵の力、圧巻。 移民は心を故郷・家族に残し、異邦人として未知の世界に飛び込む。いやおうなしに迫る未体験のこと。 知らない文字・言葉、不案内の都市、自分とは違う人種、分からない異形の生き物。新しい体験が重なり視野が広がって行くけれ...
御手洗 瑞子
新潮社 (2012年02月29日)
ブータン国王夫妻は被災地の子どもに「ひとりひとりの心の中に人格という龍が住んでいる。それを大きく強く育てよう」と語りかけた。「幸せの国」というキャッチフレーズが独り歩きして、本当のブータン社会のことなど、何も知らなかった。 環境、社会の構造、歴史...
角田 光代
リトル・モア (2011年12月22日)
しきりに映画「曽根崎心中」を思い出していました。角田さん、さすがです。
手塚 正己 木内 達朗
太田出版 (2011年12月09日)
外出すれば、工事現場で警備をする人を見かける。いままで気にかけたことはなかったが・・。 そうか、人間の仕事は幅広い。そして警備員を2年間体験したからこそ表現することのできた警備員の実態。ノンフィクション小説として構成も落としどころもさすがです。ねっ...
日本経済新聞社
日本経済新聞出版社 (2012年03月02日)
タイトルは立派。しかし内容は新聞連載「住んでみるシリーズ」をまとめたもの。被災地・陸前高田に45日間取材したものとか。 そんなに滞在して・・ちょっと物足りない。 「認知症ケアの現場」は、特養の事例として情報を感謝だが、何も「住んでみる」ということで...
秋山 豊寛
岩波書店 (2011年12月08日)
福島でしいたけ農家をしていた宇宙飛行士の秋山さん。あの日から難民生活が始まる。周囲の風景は変らないのに見えない放射能の汚染された。もうこの地でしいたけ栽培はできない。自然に囲まれ農業を営む行為が否定されたのだ。もう言葉もないが秋山さんは「農のある...
たくき よしみつ
講談社 (2011年10月14日)
福島在住のライターが身を持って体験した実録。もう杜撰・無念としか言いようもない現実。これからこの国でどのように生きるのか・・・を突きつけられる。多くの人に読んでもらいたい。
山本かずこ
北冬舎 (2011年07月)
詩人のエッセイ。身の丈で本当に素直に周辺を描写する。小さい頃の記憶、両親姉妹のありよう、都会での若い同棲生活、子どもを連れての海辺の家への脱走・・。あっけらかんとしながらもふわっと温かく女らしい感性がここちよい。
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年12月27日)
子どもの頃に感じた夜の深い闇の恐怖感。夕刻過ぎに到着した外国の飛行場の怖さに似ている。女の海外ひとり旅のご法度なのだ。 夜の暗闇は人の想像力をかきたてる。地獄のような夜行列車の旅は今の私には無理だ。体調を崩して乗り込んだ東欧での夜行列車、同行者と...
恩田 陸
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年11月12日)
夢をデジタル保存しそれを専門家が分析する。どうにもあるようでない「夢」を可視化できるとしたら・・・。恐ろしい話。ぐんぐん読み進むのだが、どうにも納得できない後半部分。奈良の風景が私にはなつかしい。
山折 哲雄
太田出版 (2011年07月23日)
自然に帰る、親鸞の「自然法爾」が心に染み入る。 最後にボケるのも悪くないと知る。
植松 三十里
文藝春秋 (2010年09月)
森有礼の最初の妻。旗本の娘が官軍の人間に嫁ぐ。彼女には大いなる野望と決意(不平等通商条約改正、日本のポジション獲得)があった。外交官夫人として夫の外交交渉を支えた。西大后・英国女王に謁見してもたじろくことなく役目を履行した。しかし夫の本質的な男尊...
COCHAE(コチャエ) 協力:イルフ童画館
パイインターナショナル (2012年02月16日)
幼い頃、毎月愉しみにしていたキンダーブック。幼い私でも、武井武雄さんの「絵」は本当に夢のあるおしゃれな雰囲気で他の絵とまったく違う輝きがあった。 しかし私は挿絵でしか武井武雄を知らなかった。こんなにも「こけし」をテーマに煌くような仕事をなしていた...
瀬戸内 寂聴
私は何を期待してこの本を手にしたのだろうか、と考える。 著名人同士の大震災遭遇の前後の雑談録、想定内です。
栗坪 良樹
ふらんす堂 (2011年12月)
中国・奉天で生まれ、4歳で引揚。九州の父の実家に身を寄せるも、落ち着く間もなく母の父母が住む新潟へ。そして北海道の石狩平野のど真ん中の集落で小学校に入学した著者。 引揚者そして父を亡くした母子家庭の刻印。でも同居していた農民の祖父から教えられた自然...
佐藤 眞一
光文社 (2011年12月16日)
生活・文化 いま読んでる
いやはや老人に間近い身には、面白くそして自戒ともなる本です。怒り老人の怒りの源泉は何か、社会性の高い人ほど他者への依存が上手・・。いいですね。来る老人生活のために読み込みましょう。
高橋 邦典
ポプラ社 (2011年06月11日)
戦場カメラマンが、故郷の被災地で撮った写真。うーん、今まで被災地の写真はホントいっぱい見てきた。ここには感動的なショットもある。被災者は「もっと大変な人がいますから・・頑張らなければ」と言ってたという。でもなんだか物足りなく思いました。
喜多 由布子
講談社 (2011年10月05日)
札幌転勤になり入居したマンションで、隣人の常識を超えたおせっかいで家庭がめちゃくちゃになる。 日本は階層社会ではないけれど、やはり「クラス」はある。そのクラスを飛び越えることはできない。生活信条まで切り崩されるのは犯罪行為だ。「ご近所つきあい」で...
笹本 恒子
小学館 (2011年09月29日)
ただ馬齢を重ねている我が身としては、驚きの「若さ」である。 なにしろ、関東大震災を9歳で経験、日本初の女性報道カメラマンとしてデビュー、草創期の写真界のこと、戦後日本の発展史をその眼で見てきたのである。 しかも今もはつらつと美しい。戦後は洋服デザイ...
求龍堂 (2011年12月)
6歳の娘が母の「くちべにをひくとき」をみて、自分の知らない母がいることの小さな発見を描いた「6歳」に、この本のコンテンツは集約されているのではないかと感じる。 そう、口紅を引く行為は、自分が女として出陣する時の心の決意、覚悟がある。それは人に見せな...
玄侑 宗久
新潮社 (2011年11月)
「無常はけっして静的な諦観であるだけでなく、ある種の安定を崩し、当座のバランスを失っても、一歩を踏み出す積極的な行動のこと」として「無常の力」と名づけたとのこと。 すべてへのこだわりがないことは自由なのだ。「寿命は天に任せ、命を惜しむこともしない...
永田 欄子
マーブルトロン (2004年10月)
日本の意匠って奇想天外なのだと感じる。能衣装などの古典柄も飛躍している柄があるけれど、大正・昭和初期の庶民を対象にした着物柄は、本当に驚きの感覚です。 キッチュで可愛い。着物なのに洋装の女の柄とか、飛行機、本、雑貨、お城、遊園地、ペンギンなどの動...
垣谷 美雨
幻冬舎 (2012年01月27日)
タイトルのインパクト!しかし途中から飽きる。結末はイマドキの家庭の介護・引きこもり・就労問題がちりばめられたハッピーエンドの落とし込み。「老人は死んでください国のため」の川柳が頭から離れない。
浅田 次郎
文藝春秋 (2011年12月)
売れっ子作家の雑文(エッセー)アンソロジー。 あちこちに書いたので内容の重複が多く、読んでいてダレてくる。もう少し編集に工夫してほしかったよ。でも何度読んでも文章の旨さはさずがです。
よしもと ばなな
幻冬舎 (2011年11月23日)
「とてもとてもわかりにくいとは思いますが、この小説は今回の大震災をあらゆる場所で経験した人、生きている人死んだ人、全てに向けて書いたものです。」との著者のことばが心に染み入りました。 一瞬先も分からない。喪失感、絶望感、不安感・・でもでも何かが支...
アサダ ワタル
筑摩書房 (2012年01月10日)
経済原理主義の中で時間も空間も他者とのふれあいが希薄になっている。隣の住民のことはほとんど知らない。道で出会っても「こんにちは」程度の挨拶くらい。しかし本当はもっとお互いに情報を盛っていたり、それが愉しかったり、生きることのちょっとだけの共感があ...
市川 愛
ベストセラーズ (2012年01月26日)
死体が発見された時はもう腐乱・・とかいう身内や社会と断絶しているような死は「孤立死」。今の日本社会単身住まいは多い。一人で死ぬことを「孤独死」と表現するとのこと。 この本は上野千鶴子先生のベストセラー「おひとりさまの老後」からの引用が多いけれど、...
西條 剛央 大島 妙子
講談社 (2009年11月20日)
そうだよね。「だっこしてって」言われたらだっこしてあげる。 でも、ぼくもだっこしてほしい。そしてママのだっこが一番大好き!しんな絵本。大きな黒目のぼくが観ているものは何?
石井 光太
新潮社 (2011年10月)
昨年9月、一ノ関から釜石に向かった。駅前近くまでの国道が、ある一線を境にして風景が激変する。覚悟していたが息を呑んだ。市内は巨人が情け容赦もなく乱暴狼藉をした痕跡がまざまざと残る。地元の被災された方々から話しを伺った。 想像を絶する地獄だったろう。...
よしもと ばなな 華鼓
文化出版局 (2011年06月25日)
「子どもを授かる」という言葉があるけれど、授かりものとしての子どもの存在はいかにステキなものか、人間を育てるということの厳しい使命は、それだけの重さの喜びや発見をもたらしてくれるもの。 人が生き続ける中での「子育て」は、真理にであうという恩寵があ...
岩井 俊二
未来の守衛を職業とした男の話。臨界事故後の旧原子力発電所でも守衛。 精子バンク、アンドロイド、・・・。荒唐無稽なのになぜか一気に読ませる。ごちゃ付いた印象はあるが、不思議な読後感。
糸井重里&ほぼ日刊イトイ新聞
新潮社 (2011年12月16日)
被災していない東京都民なのに、もう不安と恐怖で閉じこもりました。なさけない人間です。しかし時々覗く「ほぼ日」にとりあえず息ができるようになり、被災地に自分で立って見て様々なことが少しだけだけれど分かって来ました。 被災者及び地域の人たちにとって「...
平松 洋子
集英社 (2011年10月05日)
いやはやお見事な博識です。言わずにはおれない教えたがり、しゃべりたがり(書きたがり)なので、「洋子ちゃん、ちょっと待って」とぼんやりのっそりの私は声を掛ける・・。 もうおかましなしに先を行く洋子ちゃん。でも振り返って私の手のひらに拾い集めた雲や...
酒井 順子
授業でサワリだけ聞いたような・・、よしなし事を聞いてもあの当時では興味も理解もできなかっただろう。 いつの時代でも諦観する人はいる。酒井流の分析もまた味わいあり。しかし兼好ってうっとうしいうるさ型だったのね。 兼好が鎌倉、金沢文庫に来訪していた...
岩下 尚史
雄山閣 (2006年10月)
テレビで著者を見た。着物姿が粋。会話も面白かった。「芸者論」は楽しい語り口そのまま、読みやすくしかも丁寧、熱意を持って著作したことが感じられる好書。
勝谷 誠彦
文藝春秋 (2011年08月04日)
「デイアスポラ」とはまき散らされたもの、難民を意味している。 まさに二千年を故国なくさまよったユダヤ人・・。 原発で国外に逃げた日本人難民の姿はまさに予言小説。 10数年前に書かれた小説が、3.11の後「絵空事ではないぞ!」と警告する。 シニカルなタ...
岡井 隆
新潮社 (2011年12月)
短歌は音痴なので、岡井氏の存在は未知でした。 老郷になっての「告白」とは、こんな風にまとめていくものなのか・・・と岡井氏の書き進める歩調に合わせて読むすすむと、なんだかしみじみとした人生の過去、そして現在の日常が並列され混沌として、波の満ち引きの...
三浦 哲郎
筑摩書房 (2011年12月19日)
戦時中の淡い交流を描く未完の小説。未完だからこその味わいが、青春を際立たせる。
豊田 直巳
第三書館 (2011年06月24日)
「津波を見た人たちと見なかった人たち。津波を知った人々と知らずにいる人々。この写真集は、両者の架け橋」とのことだ。 北海道から関東まで日本の東の海岸線は、ことごとく津波に襲われ甚大な被害をもたらした。報道記録写真は、どれもショッキングなものだ。津...
エハン デラヴィ(J.C.ガブリエル)
武田ランダムハウスジャパン (2011年06月25日)
フリージャーナリストとしてのエハンの行動力に好感。 私たちはデモクラシーで生きているのではなく、メディアクラシーで生活している・・とか、日本人は「恐怖心」というウイルスを植え付けられているとか、被災地に居たら、新しいアイディアは生まれないとか・・...
西舘 好子
牧野出版 (2011年09月)
人形TV番組「ひょっこりひょうたん島」は見ていたが、井上ひさし氏の著書は読んだことがない。しかし編集者の友人が「井上さんの奥さんってステキな人よ」と言う話は聞き及んでいたっけ。こまつ座も離婚もほとんど興味なしだったが、この著作によると、ああ、DV...
篠山紀信
日経BP社 (2011年11月21日)
津波が襲った三陸海岸沿いの町の写真集はたくさん見たけれど、それは報道写真・記録写真であった。 不遜なことに私はページを開く毎に「美しい」と感嘆しきり。津波という無作為の力が残したインスタレーション・・。 傾いた電柱にひっかかっている花柄の毛布の神...
吉川宗明
遊タイム出版 (2011年08月01日)
日本全国に点在する巨石、岩を調査し、分類。砂から山まで岩の形状から存在する意味(祭器用具あるいは信仰の依しろとして・・) 私も少し石(岩)好きであると思っていたが、それは花崗岩に偏りなんとなく掌に在る感じが好きなだけで、もうこの本を見るとまさに研...
光田 由里
水声社 (2011年09月)
社会・思想 積読
上野千鶴子
光文社 (2011年10月18日)
フェミニズムの旗手・上野先生(団塊世代)と、気鋭の社会学者(団塊ジュニア)、いわば親子の隔たりがある者の対談。 上野先生は、団塊は「成り上がりもの」であり「子育てに失敗した」世代だと論破する。甘ったれた依存症の子どもたち(ジュニア)は「こんな世の中...
国分 拓
日本放送出版協会 (2010年03月20日)
ブラジルとベネズエラにまたがる森林地帯には先住民・ヤノマミ族約3万人が200以上の集落(移動性)で暮らしている。その集落のひとつワトリキに150日間を共に暮らしたNHKドキュメンタリーの書籍化だ。 この現代社会においても、原初の暮らしをしている人々。生と...
青山 七恵
中央公論新社 (2011年11月24日)
新聞小説って、なんだかいつのまにか進展するけれど、毎日の進展はまだるっこしい。どうなるのかとだらだらと読みすすんだけれど、科もなし付加もなし・・。
嵐山 光三郎
北國新聞社 (2011年11月)
これは「ぶらり旅」ではなく、新聞社が依頼した取材旅です。 アラシヤマさんお得意の分野は光るし、ご本人も乗っているけれど、お仕事取材の部分はもうはっきり言って「ご苦労様」の観光案内なのです。「ぶらり旅」は、やはり自前旅でないとね。
吉村 昭
文藝春秋 (2010年03月)
夫人の津村さんによれば吉村さんは「小説を書くための取材以外の旅行はしなかった」そうだ。 史実に基づき、現地に赴き掘り起こした資料や聞き取り調査を原点として創造していく姿勢が高潔で迫力ある読み物となる。 調査は自腹で編集者などめったに連れ添う事はな...
丸田 祥三
実業之日本社 (2011年11月17日)
「鉄ちゃん」という言葉を知ったのはそんなに昔ではない。だから道路趣味なかでも廃道趣味という数寄者がいることは知らなかった。鉄ちゃんにしても道路趣味にしても、インターネットの普及でそれらのマイナーな嗜好がひとつのジャンルになっていったことは興味深い...
徳間書店 (2002年05月)
セレブたちが都心の空中庭園サロンに集まり、百物語をするという話。しかし、浅田次郎さんって凄いストリーテラー、唸りました。愉しみました。 金持ちと貧乏人の違いは、財産がある事ではなく逃げ道があること・・とヤクザに言わせたり・・それぞれの話の中に、ピ...
五木 玲子
柘植書房新社 (2011年09月)
以前は硬直であまりに真面目な描き方が気になっていたが、それでもどこか魅かれるものがあった。 真剣である。恐ろしいほどののめりこみ。その緊張感と追求心、粘り強さが不思議と人間の営為の極限を教えてくれる。 リトグラフ作品は、そんな対話が素直に心を打つ...
原宏一
光文社 (2011年11月18日)
ポロロッカとはアマゾン川逆流、いわば津波の段波のような現象。震災以前に雑誌に発表していたとは・・、その予感めいた存在が興味深い。 人はうわさによってよくも悪くもゆすぶられ、風評は波紋を広げていく。そして情報となってしまう。 そんな風評の容赦もない...
由井 りょう子
小学館 (2011年09月30日)
大川小学校の被災には特に心が痛みます。 石巻の医療インフラを担って素早い対応をされた石巻赤十字病院のすべての関係者の方々のご尽力に感動いたしました。
藻谷 浩介
角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年06月10日)
経済は「人口の波」で動く・・。なによりも生産年齢人口減少が問題なのだ!との説に納得はするのです。 本日の新聞には千葉県が人口減少に転じたとの報道。頷けます。 しかし、提言になるとどうも夢物語のような気もする。まず信頼できる国ではなくなってきてい...
池田 清彦
新潮社 (2011年06月)
茂木 健一郎 竹内 薫
中央公論新社 (2011年11月09日)
エリート対談。 震災について、原発について、真摯に語り合う。そして科学ジャーナリズムについても言及する。インターネットの課題についても、話は分かった。 しかし、哲学的に思考することが困難な時代に突入している論がとりわけ共感できた。 私たちは今とい...
坂東 眞砂子
集英社 (2011年09月26日)
退職後は、自然たっぷりな場所で好きな陶芸を楽しもうと高知の田舎に移住した夫婦をめぐる集落の人々との表面には現れない深い角確執。掟に抵触したものはくちぬいさまに罰せられる。部落の掟って恨みや嫉みが根っこにある。理不尽な出来事で。命まで落としてしまう...
呉 智英
筑摩書房 (2011年07月23日)
そうなのだよ。仏陀は人間であり極めた人間なのだ。 だからその哲学と思想になるべく直接触れたいと考える。葬式仏教と揶揄され、そこからの脱皮を図ろう、社会に存在感を知らしめるためには・・等々の下らぬ論議をしている現在の仏教教団は根源を問わなければいけ...
星野 博美
文藝春秋 (2011年07月20日)
先祖は紀州から鰯の漁場を求めて外房に来た。父は東京に出てきて町工場を生業とする・・。そんな娘が自分のルーツを探る。オモシロイ。 外房は縁がないのだけれど、私も町工場の多い地域に育ったし、著者の住まう町には昔、親戚がいたので雰囲気が分かる。 日本...
セキユリヲ
マガジンハウス (2011年09月15日)
スウエーデンのエーランド島、カペラコーデンという小さな工藝学校に1年間留学したファブリックデザイナーの報告。 織・染めなどの手工芸の学校は、技術ももちろんだけれど、技術よりも本当に使うモノを作り出しそれを喜ぶという精神を、すてきなカリキュラムでみん...
天田 城介
角川学芸出版 (2011年09月23日)
できていたことができなくなる体、そしてこころも含めてどっちつかずの存在だと語る。老いは個人の事象でありながらも、高齢社会の多数派となった時、その存在の意味は社会的なものになる、いわば社会学として取り上げた時には・・こうなるというのは分かったし、規...
加藤 登紀子
白水社 (2011年10月21日)
加藤登紀子さんの今までの軌跡、そして今考えていることなど、 3・11被災地での活動も含めて、未来になにを手渡すのかを語ります。 持続可能な地域社会に向けて若くすてきなひとたちのいる鴨川。3・11シンドロームに罹っていた私は光明の光を見た思いです。
福井 晴敏
小学館 (2011年10月31日)
大震災発生後、怯え狼狽していた私。 この小説を読んで、こころの取り掛かりが見出せたように思う。 人生は結果を生きているわけでなく過程を生きているもの。 また、未来と将来は違うということを学んだ。 展開は3世代家族の物語だが普遍性もあり説得力もあ...
アマナイメ-ジズ
パイインターナショナル (2011年08月15日)
人の立ち入ることを簡単には許さない秘境。自然のパワーが写真からも読み取れる。美しい。 そんな秘境にも人々が暮らしていることにも感動する。 日本の秘境として「仏ヶ浦」が掲載されている。ここには近いうち行ってみようぞ!
中村 文則
河出書房新社 (2011年10月14日)
ネーミングに魅かれて読み終えたけれど、このアイロニーは、今の私にはしんどい。 裏社会の中に屹然と生き抜くヒロインはそれなりに魅力的ではあるけれど、物語全体に嫌な後味が残った。
松任谷 由実
中央公論新社 (2011年11月10日)
ユーミンがホステスで各界38組の著名人との対談集。 対談収録が短いこと、お互いに「よいしょ」なので、正直面白くもなんともない。 ユーミンの輝きは、対談冒頭の気の入ったファッション。ホステスだからしかたないけれど、ユーミンの持つ個性や毒をもっと感じた...
津村 節子
文藝春秋 (2011年07月26日)
夫・吉村昭さんの闘病記。夫婦でもの書きなんて「地獄」だ・・と友人に言われながらも、おしどり作家として活躍してきた。 無上に仲のよい夫婦だったことがわかる。 若い頃の結核、様々な病気を重ね舌癌、すい臓癌、そして「もう死ぬ」といって体につなげられた管...
野見山 暁治
生活の友社 (2011年10月)
とにかく文章の旨い絵描きです。先生もお年をとられたんですね。 ご自身を「気づかなかったが、ぼくはお爺さんになったのかもしれない・・」。 交流のあった名前や作品を知っている方々のことを書いた文章も秀逸。こんな風に人を描ける(書ける)ということはステ...
ちひろ美術館
講談社 (2011年09月17日)
この組み合わせ企画の勝ちみたいな本。 とっても豊か、おだやかに包まれている気持ちになる本。
森 知子
双葉社 (2011年09月21日)
はっきり言って「遍路」という一種の修業ではなく「へんらー」という、だじゃれ多しのおちゃらけ旅日記。 四国の風景とか環境への観察よりも「へんらー旅体験」を書く事で出版をもくろんでいることや、旅での人とのコミュニケーション体験が興味の中心なのでは・と...
楡周平
祥伝社 (2011年07月29日)
エリート社員がふるさとに住む母親の介護をしなければならなくなった困窮と展開・・。 会社・妻との関係、介護・・・。この男ってまったくこの社会のしくみを肯定しずきではないかい。本当の幸せとか生き方とかにまったく触れてない。 介護は降りかかった困った災...
土方明司(平塚市美術館館長代理)
求龍堂 (2011年03月22日)
平塚市美術館で開催された同展を観た。 日本の近代・現代絵画を彩る巨匠、そして夭折した画家たちの青春譜、教科書でみた作品が一同に会するすごい展覧会だった。 若い模索の時代に真摯に作品と向き合う熱い態度に圧倒され、へとへとになった。 だから、この図...
マガジンハウス (1998年10月)
大学助教授神崎氏のグルメ譚。小説仕立てだけれどアラシヤマ氏の実体験でしょう。あの目をひんむいて食べものに迫る気迫がひしひしと伝わります。 私は月夜にはまぐりがゆったりいい気持ちになって口を開き、おいしい出汁がたっぷりでた「はまぐり汁」を、桜と菜の...
佐藤 初女
海竜社 (2010年10月)
映画「地球交響曲 第二番」で、鮮烈な印象を残した初女さん。 弘前城の満開の桜の中での姿も美しかったけれど、「森のイスキア」でお孫さんとおにぎりをにぎる姿もこころ温まった。 いつも感謝の心で、スナオに奉仕の精神で生きていらっしゃる姿は、もうまばゆい。
筑摩書房 (2011年09月21日)
子どもはいつも、今ここに在る世界と、見えないけれど在るかもしれない世界を、薄いヴェール1枚で行き来する存在だ。 不思議が一杯なのに、矛盾はない。まるで居ないのに居るような、そんな空に浮いているような時間だった。 老いている少女もあるよ。 子どもの...
三山 喬
東海教育研究所 (2011年03月)
母は朝日歌壇の愛読者なので、「ホームレス歌人・公田耕一」のことも、アメリカの「獄中歌人・郷隼人」のことも会話に上っていた。今、あの冬を思い出してみる。著者は元新聞記者だが、今や不安定な生活だ。もう身近な問題として「ホームレス」がある。数ヶ月、横浜...
南川 泰三
幻冬舎 (2011年05月)
プライドが高いのにアルコール漬けの自己嫌悪、そんな年上女の魅力に圧倒され、結婚した男のモノローグ。 破滅型の妻は、すさまじい迫力で嫉妬心を燃やす。54歳でなくなっての実感は「解放」ってか・・。 愛の形はいろいろです。猛妻レクイエム。
団 鬼六
新潮社 (2011年08月)
私は団鬼六さんの著書を読んだことがないけれど、鬼才なんだろうなとは思っていました。 この本を読むと、生きることを最大限味わい、愉しみ、書いた人であることがわかる。そして愛すべきステキなキャラクターだったことがわかる。透析とガンに蝕まれながらも、病...
桑田 太
日本カメラ社 (2011年07月)
ていたん・・と読む。 写真の趣味を、定年後再開。 街の中の、ちょっとしたすきまのような「庭」・・というか 隅っこを写す。 いいな!! 好きだな。 目立たないスキマを、「ウン」とか言いながら、誰にもじゃまされず、じゃまにもならずに、ひとりの時...
内澤 旬子
解放出版社 (2007年01月)
なぜ「肉」を食べるのか、屠蓄することは、人間にとってどんなことなのか・・、韓国、バリ島、エジプト、ヨーロッパ、モンゴル、アメリカ・・日本の屠蓄場をルポ。内臓処理業者、皮なめし工場など徹底した取材で丁寧なイラスト付き。 動物愛護の視点からも屠蓄論を...
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