ことごとくのだめ男と、健気な妻がたくさん出てくる短編集。
太宰は、妻というもの、こうであってほしかったのかしら。女性からみても、すごいなあ、いい妻だなあと思うのだけど、一方で現実はこんなに冷徹にはなれないでしょうという感じ。
「ヴィヨンの妻」は本当に名作だなあ。終盤での一つの事件が、こんなにもあっけなく描かれて、最後の一言
「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きてさえすればいいのよ」
がものすごい力を発揮する。
太宰はやっぱりすごいのだと圧倒される一冊でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2013年4月29日
- 読了日 : 2013年4月29日
- 本棚登録日 : 2013年4月29日
みんなの感想をみる