帝国宇宙軍1-領宙侵犯- (ハヤカワ文庫 JA サ 13-1)

著者 :
  • 早川書房 (2017年4月20日発売)
3.80
  • (4)
  • (6)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 77
感想 : 6
4

腰帯にこうある。「新シリーズ初巻にして最終巻」。まさに次巻に着手する前に、死去。享年52歳。
『征途』を除き、シリーズが完結した事がない、という点で、主に架空戦記の読み手に有名だった作者であるけれども、みんな期待していたと思う。(生きている間に)いつかは次が出るのでは、と。
しかし、その望みは全て虚しくなりました。
本シリーズは、星間航法のある意味欠陥により、地球からはなれたどこか遠くの宙域に飛ばされてしまった地球人の後裔が、いくつかの星間国家を築いているという設定。
そのなかでも主要な「帝国」と、小さくて勢力は弱いが狡猾な「ヘレネス統一体」の、いささか乱暴な政治戦からスタートする。
ヘレネスによる、ある無人星系の詐取、そして、その宙域で一触即発の事件が発生、さらにそこから近い別の無人星系における謀略のスタート。
これに、天城少佐はどう対処するのか?
自分でも知らず知らずのうちに「英雄」に祭り上げられてしまった主人公の闘いが今始まる……というところで、本巻は終わっている。
日本と韓国がモデルなのかな、と思われるこの関係にどきどきわくわくしながら読んでいると、ここでの途絶。
あまりにも残念だ。
幸い、ハヤカワ文庫では今までにも、『GUIN SAGA』や『銀河乞食軍団』を別の作家に書き続けさせるというような試みを行っている。
是非本作についても、別の作家に書き継がせてもらえないだろうか。たとえば、横山信義あたり、どうでしょう?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2017年5月5日
読了日 : 2017年5月4日
本棚登録日 : 2017年5月5日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする