失敗の本質: 日本軍の組織論的研究 (中公文庫 と 18-1)

  • 中央公論新社 (1991年8月1日発売)
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 本書にケーススタディとしてあげられた大東亜戦争6つの戦いは、そのまま現代の日本企業経営やそこでの組織問題に当てはまるように思えます。
 やはり、日本という国や日本人は、今また同じ失敗を繰り返そうとしているのではないでしょうか?曖昧な目的、集団主義的な意思決定、模範解答ができる人材を育てる画一的な教育、漸進的進歩しか生み出さない狭い考え方・・・どれも会社の中や身の回りで起きていることばかりです。
 政治もそうですね。50年以上前に出来上がった体制固執から抜け出せず、場当たり的な外交を展開する。外交だけでなく、突発的な社会的課題にまっしぐらするが解決できない間にまた次のネタが出てきて右往左往。。。この国は一体どこに行くのか?本書の言うグランドデザインの下に大きく変わっていかねばなりません。
 過去の一時的な成功体験から形作られた現在の戦略原型(ものづくり立国!?なんてのもその一つですね。)を疑って、勇気を持って変えて行くことが必要だな、と強く感じました。

 本書は企業経営や自組織のマネジメントにも大いに通づるものがあります。日本軍、米軍のケーススタディを元に展開する戦略論、組織論、は繰り返し読んで言語化できるようになりたい、と思える内容です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: リーダーシップ
感想投稿日 : 2017年2月18日
読了日 : 2017年2月18日
本棚登録日 : 2017年2月18日

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