今年の夏はヤマネコ島で過ごしました。
『ツバメ号とアマゾン号』アーサー・ランサム
「今、この島では、人間のいとなむことはなにもおこなわれていない。ティティ自身がそれをしないかぎりは、いつまでもおこなわれないだろう。それは、まるでじぶんがこの世に生きているただひとりの人間のような感じだった。」
「「こんにちは、フライデイ。」と、ティティはうれしそうにいった。
「こんにちは、ロビンソン・クルーソー。」と、おかあさんがいった。ここがおかあさんのいちばんよいところだった。ほかの土人とちがって、こういうことをいっても、おかあさんには、いつでもわかってもらえる。」
この本の中に、いい夏がある。
ジョン、スーザン、ティティ、ロジャの4人きょうだい(彼らにはヴィッキイという末っ子がいる)の夏。
本当に、ティティになって、きょうだいたちとツバメ号に乗ってひと夏過ごした気分。
この本を読んで覚えたこと。
・料理をずっと好きでいたかったら、洗い物は、他の人にやらせる。
・座っていると、立っている時のように怒りっぽくはなかなかならない。
・覚えておきたいことがあるときは、ハンカチの片はしに大きなこぶを作っておくと、忘れない。
・「ドロール」は、おやすみなさい、ぐっすりねむりなさい、の意。
最初読むのがしんどかったのは、最初の方が、4人の兄弟が立て続けに誰かがしゃべっていて戯曲状態だったのだ。
ナンシイとペギイの姉妹が出てきて、ティティが島にひとりで残ることになるあたりから、急に物語が奥行きを帯びてくる。
そしておかあさん最高。今年のいい人MVP獲得かも。
それで、お母さんが作っていたペミカンケーキを食べたくなって、作ってみたんだった。
ペミカンとは訳注によれば、「牛肉をかわかして、果実や脂肪をもつきまぜ、パンのように固めたもの。探検隊などがよく利用する」とのこと。牛肉ならコンビーフで代用しようと、ジャガイモを茹でて、つぶして、「果実」の代用でプルーンのワイン漬けのシロップを少したらして混ぜ合わせた。
出来上がりはまあまあ結構おいしい感じ。
児童文学の中では知らない人がいないくらい有名な人なんだろう。
レファレンスコーナーに行って書庫から出してもらうときも、「ランサムのツバメ号とアマゾン号なら岩波のがあります」、と言って司書のねえさんが、オレンジの装丁のを出してくれた。
日本で紹介されたランサムの著作(アーサー・ランサム・クラブ)
シリーズは、たくさんあるけど、長期休みに一冊ずつ読んでいこうかな。
- 感想投稿日 : 2008年9月12日
- 本棚登録日 : 2008年9月12日
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