「コールセンター」のすべて 新版: 導入から運用まで

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  • リックテレコム (2006年4月1日発売)
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参考:NTT 情報通信用語集
http://www.ntt-review.jp/yougo/index.php


第一章コールセンターとは
・コールセンター:企業の顔として位置づけられるようになり、
 経営戦略と連携したコールセンターオペレーションが盛んに行われ出している。
-対面販売を従として、コールセンターを主とする考え方
-固定客をつなぎ止め、新規の顧客を獲得する役割への期待
-顧客の声を素早く経営にフィードバックする仕組み

・顧客志向マーケティング戦略
1.ターゲット客層を明確にすること:パレートの法則(2-8)
2.顧客の視点でサービスを提供する:潜在ニーズを探る
3.顧客の満足度を向上させる:不満を持つ客は不満を広げる、顧客が求める情報をタイムリーに提供
4.顧客とのリレーションシップに力を注ぐ:マーケティングの役割①新規顧客の獲得②既存顧客とのリレーション構築
5.企業全体で顧客情報を共有する:ネットワークを活用し、市場の変化をリアルタイムに把握する
6.営業活動のプロセスを標準化する:プリセールス、セールス、アフターセールスをSFAで管理
7.効果測定を行う

・コールセンターの種類
①インバウンドとアウトバウンド
-イン:注文や問い合わせ対応、相談窓口、テクニカルヘルプデスク
-アウ:ダイレクト販売、アンケート調査、アフターコール、代金未払い督促
②コスト型(ヘルプデスク)プロフィット型(テレマーケティングサービス)
-プロ:注文受け付け、リサーチ、フィールドサービス
-コス:満足度維持、向上のためのヘルプデスク
③インハウスとアウトソーシング
-判断ポイント:経営資源は十分か、コア・コンピタンスは何か、法的な制約
-OSのメリット:効率的な運営、スケールメリット、立ち上げスピード、人材の確保

第二章 コールセンターの開設プロセス
1.マスタプラン策定-経営戦略の明確化
-ポジショニングの明確化
-マーケティング戦略策定:データベース、顧客セグメント
-リソースマネジメント:定量的な算定を基に、業務計画を立てる
-生産性向上計画:向上のための業務標準化、システム投資計画 e.人件費が約70%掛かる
2.業務設計のプロセス
①業務内容の詳細設計:アプローチ方法、利用する媒体、コールフロー、報告項目
-コールフロー:対話内容を標準化させておく
②管理指標の設定:サービス品質、生産性管理、収益性
-サービス品質:応答率、会話品質、正確性
-生産性管理:平均通話時間、時間あたり応答件数
-収益性:受注率、時間あたり売上高など
③オペレーション環境の設計:ロケーション(大都市が46%)、組織、マニュアル
-組織:スーパーバイザ、オペレーションマネージャnado
④人材の確保:要員計画、採用、スキル別トレーニング
⑤システムの設計:SW、IVR、CTIサーバー、DB系、回線系

第三章
1.システム要件定義に必要な検討項目
-①業務種別:インorアウorコールブレンディング形態(両方)②規模③システム構成要素
④顧客対応ソフト(CIS)⑤セキュリティ⑥CTI機能⑦データベース⑧他のシステムとの接続⑨マネジメント/スーパーバイジング機能
⑩予算
2.システムの設計
①ハードウェア構成の決定
②データベース設計
③ネットワーク設計
④画面設計※米国のCISはカスタマイズが必要になることが多い
⑤トークスクリプトの作成
※最も考慮するべきポイント:レスポンスタイム

3.コールセンターシステムの構成要素
①構内電話交換機(PBX)、電話機、FAX
-企業ビル内などに設置して、凱旋電話と内線電話を交換する装置
-コールピックアップ
-応答遅延転送
-三者通話
-転送。LOGON、ACD、料金管理
②着信自動分配器(ACD)
-着信した呼をあらかじめ決められたルールに従って複数のオペレータの内一人だけに接続する。
状況(スキル、負荷、時間別)にオペレータを選定する:データベースなどでセグメントすることも可能
③クライアント/サーバーシステム
-OPが操作を行う側をクライアント。情報を蓄積し、動作を遂行する側をサーバーと呼ぶ。
④顧客対応ソフト(CIS)
-OPが対話しながら、顧客データや商品データを参照・入力でき、対話結果入力を中断して着信コールを受けることが可能。
⑤対話型音声自動応答装置(IVR)
-かかって来た電話に自動応答し、OPの介在なしに、顧客自身の操作によって、情報の選択、情報再生、録音などを行う。
ポイント:人件費削減、適用業務を選ぶ、洗練された応答パターンが重要
⑥全通話録音装置(ボイスロギング・システム)
録音したデータを保存。品質向上にも活用できる。
⑦プレディクティブ・ダイヤラー(PDD)
-機械が予め用意された宛先リストに従って自動発信し、顧客が応答すると、始めて空いているオペレータに接続してくれる。
⑧問題解決支援ソフト
-ナレッジベースの構築と専用の検索ツールによって短時間かつ適切に行えるようにしたもの
⑨コールマネジメントシステム(CMS)
-運営管理の支援システム:着信呼数、ログイン人数、オペレータごとの通話時間をリアルタイム把握、統計データとして分析レポート
⑩ワークフロー・ツール
-必要な事項をもれなく的確に聞き出すために、処理手順の流れを規定し、データを順次受け渡しする
⑪ワークフォース・マネジメントソフト
-オペレータのスケジュール作成、管理を支援するソフト
⑫CTIサーバー

第四章 CTI
・CTIとは
顧客データベースとPBXを連動させたシステムあるいはさせること
-コールセンターCTI:専用のPBXとデータベースサーバーの結合
-オフィスCTI:LAN環境と内線電話を連携させ、ホワイトカラーの生産性向上を追求
・CTIでできること
1.一人のオペレータが複数電話番号を応対
2.高度な着信振り分け:ナンバーディスプレイからOPを瞬時に判断
3.スクリーン・ポップアップ:顧客に関する情報をPC画面に表示
4.コールエスカレーション:専門的な知識を有するOPが応対
5.プレヴュー・ダイヤリング:リスト項目をクリックするだけで自動的に発信
6.プレディクティブ・ダイヤリング(予測発信):システムが電話を掛け、応対した時点でOPに繋ぐ
7.コールバックの自動化
8.電話系とコンピュータ系のDB統合:
9.マネジメント機能

第五章 ネットワークの設計
・電話回線を定める
1.電話回線を選ぶ:アナログ電話回線orISDN
-ISDNのメリット:接続が早い、品質が良い、基本料金が安い
2.外線数と内線数を定める
-外線数は最繁時間帯の話中率から決める
-内線数は「待合せ呼数」と「設定時間内応答率」で調整する
3.電話番号の付け方
-フリーダイヤルか、一般ダイヤルか
-番号をいくつ持つか
・ネットワークサービスを利用する
1.代表電話番号
2.ダイレクト・ダイヤルイン
ユーザがPBXや他のプライベートシステムを通じて,オペレータを通さないで直接ユーザを呼び出すことができる機能
3.フリーダイヤル
かかってきた電話の料金を着信者が負担するNTTの着信課金サービス
4.ナビダイヤル
一般の電話番号ではなく,新しい特定の番号(0570-××××××)を利用して,サービス契約者が任意に指定する地域からの発信を,サービス契約者が指定する任意の受付先に発信者課金で接続できるサービス
5.ナンバーディスプレイ
発信者の電話番号を応答前に着信者に通知し,電話機等のディスプレイに表示するサービス
6. ボイスワープ
かかってきた電話を別の電話に転送するサービス。携帯電話等へも転送ができる

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2015年8月17日
読了日 : 2015年8月17日
本棚登録日 : 2015年8月17日

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