「ジャッカルの日」、「悪魔の選択」など多数の著作がある著者。
本書はその著者の(少なくとも和訳版では)最新刊です。
テーマはコカイン。
コカインを扱う麻薬組織とこれと戦うために特別に作られた組織との戦いを描いています。
はっきり言ってありえない感が強いストーリーでしたが、それでも(ベストセラー作家だけあってか)読める内容ではあります。
では前置きはこの位にして以下であらすじを紹介。
ワシントンの貧困地区で15歳の少年が麻薬の過剰摂取により死亡。
彼の祖母がホワイトハウスのメイドだった事により、大統領がその死を知り、これを切っ掛けにコカインを扱う麻薬組織「兄弟団」に対する米英政府による戦いが始まる。
この戦いの指揮を取るのは、敵に対して冷酷過ぎるという理由でCIAをクビになった70代の元職員(通称・コブラ)。
コブラには監査無しの20億ドルの予算の他、関係機関の全面協力を命ずる大統領令、必要な人材を独自の判断で雇い入れる権限などが与えられる。
時に冷酷の評価に違わぬ非情な手段を使い、「兄弟団」に対する入念な攻撃準備を行うコブラ。
そして容赦の無い攻撃が始まるが・・・・
上下巻に分かれており、上巻では準備が、下巻では攻撃が描かれています。
特に下巻はコブラの非情さが浮き彫りになった展開となっており、これだけやると確かに効果は出るよと言った感じです。
そしてストーリーに(上記の通り)ありえない感を植え付ける結果にもつながっています。
とは言え、そこはベストセラー作家。
最後にひねりを効かせ、凡庸な小説としては終わりません。
(若干くどさも感じる文章ではありましたが)十分楽しめる内容です。
お時間のある時にでも一読されてみては如何がでしょうか。
- 感想投稿日 : 2013年3月18日
- 読了日 : 2013年3月18日
- 本棚登録日 : 2013年3月18日
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