剣客商売 十 春の嵐 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2003年1月21日発売)
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本棚登録 : 793
感想 : 46
5

このシリーズを読み始めて 初めての長編。
やはり 私は長編のほうが落ち着いて読むことができる。

秋山大治郎と名乗るものが 人を惨殺する。
しかし、それは 小兵衛の息子 大治郎ではなく 
ニセモノ大治郎だ。
なぜ?
大治郎に対して 恨みがあるものか
それとも 小兵衛に対して 恨みがあるものか。

松平越中守定信と田沼意次との確執を巧妙に
利用しようとする 人物がいた。
一橋治済が フィクサーなのだ。
松平越中守定信の激情で直情型。
田沼意次の私情を挟まない公平な姿勢。
それが 際立ちながら・・・物語は進む。

今回は 傘屋の徳次郎の自分の勘に愚鈍なほど忠実さが
なんともいえないほど 素敵だった。
戸羽平九郎の 悪そろしいまでの必殺技。
杉原秀の 謙虚な姿勢。
ごぼう 松の 精を吸いつくす魅力

歩をわきまえた しっかりした人たち。
いい作品だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史物
感想投稿日 : 2012年11月10日
読了日 : 2012年11月10日
本棚登録日 : 2012年11月10日

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