ドナウの旅人(下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1988年6月29日発売)
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感想 : 94
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ドナウ河を、逃避行する絹子と長瀬、
それを追いかけ、一緒に行動する麻沙子とシギイ。
麻沙子に好意を抱くペーター。
長瀬を追う 謎の男 尾田。

複雑に絡み合いながら、ドナウ河の下流 黒海に注ぐ
街 スリナまでの旅の過程を描きながら
人間模様とその国の模様が 鋭く描かれる。
共産主義の国というものの国の成り立ちを、
建前と本音がよく描かれていた。

絹子が 他人に転化して、自分のせいじゃないと言う。
そういう性格から、長瀬の秘密を知り、自分が何ができるのか?
を考えることで、大きな変化をもたらしていく。
長瀬の再生のチャンスを 絹子が持っていた。

長い長い物語 だった。
人を愛すること、老いること、生きながらえること、
病気になること、失望すること、忘れ物をすること、
人は 実にいろんなことを経験して、一人の大人になっていく。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 青春/恋愛
感想投稿日 : 2013年7月19日
読了日 : 2013年7月19日
本棚登録日 : 2013年7月19日

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