イスタンブール、時はゆるやかに (新潮文庫 し 39-1)

著者 :
  • 新潮社 (1997年3月1日発売)
3.70
  • (13)
  • (11)
  • (17)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 131
感想 : 16
2

トルコを旅行者の目で観察しつづける。
あくまでも、旅行者という立ち場をぬけない。
1981年から、トルコを訪問した。
その頃、日本人がトルコを訪問することがめずらしく
まして、女性が一人旅することもめずらしかった。
そんな著者を、トルコの人たちが、やさしく迎えてくれる。
トルコ人のホスピタリティの良さをくり返し、
書かれている。
トルコ人の生活の中にはいながらも、その中に
入り込まない、そして 踏み込まない著者がいる。

イスタンブールのアジアとヨーロッパの融合。
ギリシャとトルコの関係。
トルコ人の多様性。タタール、アルメニア、ジプシー。
その多様性を 描き出そうとして 描ききれない。
歴史的なストーリーを持ち出して、わずかな接点を見出す。
たぶん、この人は 想像力が欠如しているのかもしれない。
観察力の貧弱さが、ゆるやかに感じさせている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 旅行
感想投稿日 : 2017年4月11日
読了日 : 2017年4月11日
本棚登録日 : 2017年4月11日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする