Blindness (Harvest Book)

著者 :
  • HarperVia (1999年10月4日発売)
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本棚登録 : 21
感想 : 3
5

高校時代に初めて手にとって以来、何度も何度も読み返している本。

視界が真っ白になる伝染病が、世界中に広がっていく。政府は患者の隔離を行うが、秩序は乱れ、人間の汚い部分がむき出しになってく。
見えないことをいいことに、いかに文明は堕ちて、人間性は堕ちていくのか。
非常に冷めた視点で、世界のなれの果てを眺めてる感じ。凄く背筋凍る。

全てが空想、でもこれはシュリールの世界だよね。
少数の抑圧抹消と、抑圧される人たちの中での秩序崩壊。
「見えない」ことは、力にもなるってこと。悪い意味での。


文体が独特。ピリオドもクオーテーションマークも使わずに、とにかく何行も一息で読ませにかかってくる。
どれが誰の発言か、どこで一文が切れてるのか微妙なこともあるけど、緊迫感あって好き。



blind people who can see, but do not see.
白い闇が去った後、世界が目にするものはあまりにもあっけなくて、でも真実。
瞳で見えるようになっても、でも見えてないものが多いんじゃないかって恐怖。
なんか一時期絶版になっちゃったらしいけど、去年あたり映画化されました。私的には映画より本の方をお勧めします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外小説(洋書・和書混同)
感想投稿日 : 2010年9月19日
読了日 : -
本棚登録日 : 2010年9月19日

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