読んでいると経営コンサルタントによるコンサルタント批判に見えてくるけれど実際は現状のコンサルタントの問題点の指摘とコンサルタントとの上手な付き合い方の本である
そもそも何故サブタイトル(コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする)にあるような刺激的なタイトルに向かうのかというとコンサルタントの得意なこと(論理的な分析、理論の構築)と欠けていること(実社会での経験)を理解していない経験者が必要以上にコンサルタントに依存している
著者の主張は『役に立たない経営理論に頼るのはやめて対話や人間関係の改善がビジネスに利益をもたらす』ということ
とはいえ『コンサルタントを雇わなければよかった』と『コンサルタントを雇ってよかった』はどちらにも普通にあることなので
使い方が大事であるしコンサルタントを雇う利点はもちろんある
この本は経営コンサルタントとして約30年のキャリアを持つ著者が『経験則』から導いたひとつの答えである
著者の法則が科学的に正しいと証明されたわけではないし人間が人間を扱う経営に正解はないのだから著者の法則を証明することも難しい
ただ文中にある『人間性に逆らって働くよりも、人間らしく働いたほうがずっとラクだ。さらに重要なのは、社員が人間らしく働ける社会のほうが、社員の人間性を奪うような会社よりも、成功する確率が高い。』(P.279)
これは核心をついているしブラック企業とは会社経営としては正しいが社員の幸福感としてはどうかという問題に繋がっている
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ビジネス・金融
- 感想投稿日 : 2014年7月10日
- 読了日 : 2014年7月10日
- 本棚登録日 : 2014年7月10日
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