「南京事件」の総括〔小学館文庫〕 (小学館文庫 R た- 14-2)

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  • 小学館 (2007年7月6日発売)
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『南京大虐殺』などといわれているこの問題。
30万人もの一般市民が日本軍によって虐殺されたと主張する中国に
対し、その主張の矛盾を指摘し実際にはこのようなことはなかった
ことを証明する一冊。

全く関心を持っていなかった頃、やはり漠然とこういうことはあっ
たんだろうと思っていました。なにせ、日本軍の侵略は悪だったと
いう教育を受けてきておりそれを疑うこともしてなかったのですか
ら。しかし最近この手の本を読むにつけ、当時の日本のやってきた
ことと中国、韓国が主張していることの矛盾が目に付くようになっ
てきました。いや、鼻につくといった方が適切かもしれません。

この本を書かれた田中正明氏については、いろいろ批判もあるよう
なのですがこの書を読む上では客観的な情報に基づいているように
感じられます。

南京事件とは一般に昭和12年(1937年)12月に当時の中国の首都南
京が陥落した時期に日本が無差別に一般市民を大量に虐殺した事件
だといわれています。しかし、南京陥落直後からこのような事件の
報告、報道はなかったといいます。この事件が表出したのは悪名高
い、かの「東京裁判」の頃です。
この頃から中国を始め戦勝国がこの事件を大きく問題として取り上
げました。しかも中国では時がたつにつれ被害者数が数十倍に膨れ
上がり今や30万人とまで言われるようになっています。この点だけ
見ても30万人の根拠はうすく、信憑性が薄いことがうかがい知れる
でしょう。

当時20万人しかいなかった南京でどうやって30万人の虐殺ができる
のか。虐殺のあった直後、どうして人口が膨れ上がるのか(虐殺の
あった場所に一旦避難していた人が戻ってくるはずがない)。30万
人もの死体はどう処理したのか全く理屈に合わない。しかもそれを
目撃した人間がどこにもいない。文化人、新聞記者、外国人も当時
南京に滞在しているにもかかわらず誰ひとりそれを目撃した人がな
いといいます。中国が証拠として提示している写真なども非常に怪
しく全く別の状況で殺されたと思われるものも多く、それどころか
出所不詳、中国の馬賊による惨殺現場の写真などもかなりの数に達
しているといいます。

こういう情報操作による主張は何も中国だけではなく、国内にもそ
う主張する人が少なくないといいます。

東京裁判史観、自虐史観から一旦脱したうえで歴史を正しく認識す
るところからはじめなくてはならないでしょう。

賛否両論あるかもしれません。が、まず知るところからはじめなく
ては、と思います。是非手にとってもらいたい一冊です。

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感想投稿日 : 2008年6月7日
本棚登録日 : 2008年6月7日

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