【本の内容】
戊辰戦争で焦土と化した城下町・長岡。
その窮状を見かねた支藩より見舞いの米百俵が届けられた。
だが、配分を心待ちにする藩士が手にしたのは「米を売り学校を立てる」との通達。
いきり立つ藩士を前に、大参事小林虎三郎は「百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、教育にあてれば明日の一万、百万俵となる」と論す。
「米百俵の精神」を広く知らしめた傑作戯曲。
著書の講演も収録。
[ 目次 ]
[ POP ]
明治初頭の越後・長岡藩を舞台に、人を育てることの大切さを描いた「米百俵」のエピソードはよく知られている。
ただこの戯曲の古典は、なぜか政治の動きに何度もほんろうされてきた。
戯曲と山本有三の講演は、いずれも終戦前のものだが、実は文庫になったのは、50年以上もたった2001年。
小泉純一郎元首相が、所信表明演説で触れたことをきっかけに注目を集めたのだ。
ただ、小泉ブームに乗って13万6000部とヒットしたこの本も、話題性が薄れたためなのか、06年3月に早くも絶版となった。
ところが、定額給付金の議論に絡んで、この物語は新聞やテレビで再び脚光を浴び、昨年12月に再び復刊を果たしたのだ。
定額給付金にとどまらず、派遣切りなどの問題が取りざたされる時代だからこそ、この物語が訴えかけるものは多い。
それだけに、政治絡みの“企画”として扱われるのはもったいない。
ぜひ、古典として長く読まれてほしいと思うのだが。
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[ 参考となる書評 ]
- 感想投稿日 : 2014年8月24日
- 読了日 : 2014年8月24日
- 本棚登録日 : 2014年8月24日
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