米百俵 (新潮文庫 や 1-10)

著者 :
  • 新潮社 (2001年6月1日発売)
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【本の内容】
戊辰戦争で焦土と化した城下町・長岡。

その窮状を見かねた支藩より見舞いの米百俵が届けられた。

だが、配分を心待ちにする藩士が手にしたのは「米を売り学校を立てる」との通達。

いきり立つ藩士を前に、大参事小林虎三郎は「百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、教育にあてれば明日の一万、百万俵となる」と論す。

「米百俵の精神」を広く知らしめた傑作戯曲。

著書の講演も収録。

[ 目次 ]


[ POP ]
明治初頭の越後・長岡藩を舞台に、人を育てることの大切さを描いた「米百俵」のエピソードはよく知られている。

ただこの戯曲の古典は、なぜか政治の動きに何度もほんろうされてきた。

戯曲と山本有三の講演は、いずれも終戦前のものだが、実は文庫になったのは、50年以上もたった2001年。

小泉純一郎元首相が、所信表明演説で触れたことをきっかけに注目を集めたのだ。

ただ、小泉ブームに乗って13万6000部とヒットしたこの本も、話題性が薄れたためなのか、06年3月に早くも絶版となった。

ところが、定額給付金の議論に絡んで、この物語は新聞やテレビで再び脚光を浴び、昨年12月に再び復刊を果たしたのだ。

定額給付金にとどまらず、派遣切りなどの問題が取りざたされる時代だからこそ、この物語が訴えかけるものは多い。

それだけに、政治絡みの“企画”として扱われるのはもったいない。

ぜひ、古典として長く読まれてほしいと思うのだが。

[ おすすめ度 ]

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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ワンコイン文庫(新潮文庫)
感想投稿日 : 2014年8月24日
読了日 : 2014年8月24日
本棚登録日 : 2014年8月24日

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