【本の内容】
お母さんが家出した、わたしたちを置いて。
お父さんはずっと前にいなくなった。
けれどもわたしは大丈夫。
弟のコウちゃんと二人で生きていく。
友だちの健一君だって応援してくれる。
そんなある日、わたしは道ばたで「絶望」に出会ってしまった―。
失くした希望を取り戻すために、拒まれた願いを実現させるために、高校生・みずきの戦いと冒険が始まる。
生きることへの励ましに満ちた物語。
[ 目次 ]
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母親が家出して、5歳の弟と二人で暮らす女子高生みずきが主人公ですが、彼女の場合、母親がいた時も家事は自分がしていて、お金も母親が残していった貯金があり、裕福ではないけれど生活できる状況で、暗い感じはしません。
ただ、みずき自身、気づいていないだけで、猫の死骸を庭に埋めるという行為で心の空隙を埋めていたんではないでしょうか。
私たちは生きていく中で色々な物を失って、それでもそんなことはおかまいなしに人生は進んでいき、またそれでも生きていればその中で自分にとってかけがえのない何かを得ることもあります。
著者の作品は8月の課題書『流れ星が消えないうちに』と本作しか読んでいませんが、どちらもそういったことを感じさせてくれる作品のような気がします。
読んだ後に、ものすごく感動したとか、涙が止まらなかったとか、そういった作品ではないのかも知れませんが、静かに心に染み入ってくるお話でした。
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☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
- 感想投稿日 : 2014年9月3日
- 読了日 : 2014年9月3日
- 本棚登録日 : 2014年9月3日
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