超現実主義宣言 (中公文庫 フ 12-1)

  • 中央公論新社 (1999年9月1日発売)
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「超現実主義宣言」「超現実主義第二宣言」「超現実主義第三宣言か否かのための序論」を所収。生田耕作の訳は日本語として生きているように思う。

超現実主義は、ロゴス(言語・論理・理性・自己意識)による存在の断片化を斥け、「理性を介さない裸のままの自我/世界」(=超現実) i.e. 存在の全体性を志向し、それを現前させようとする芸術運動。自らの理性を解除して生(なま)のままの世界に向かおうとする「自動記述」や、世界を覆う理性的秩序の被膜に驚異と共に裂け目を入れようとする「デペイズマン」(一種の異化作用)など、多様な実験的手法を試みた。理性の統御を免れているとされた夢・無意識・狂気・幼児性・未開原始文化・オカルティズム etc. を無垢な自己/世界の現前として称揚し、その純粋性を表現しようとした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: フランス文学
感想投稿日 : 2011年3月26日
読了日 : 2008年12月19日
本棚登録日 : 2011年3月26日

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