働く、編集者―これで御代をいただきます。

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  • 宣伝会議 (2007年7月1日発売)
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■編集者今昔
昔:記者として現場にいって事件取材のために警察に入り込んだり芸能人のスクープをとったりと取材して失敗を重ねて編集者に
今:インターネットから既出ニュースを拾ってきてターゲットに合わせて加工する。編集マニュアルがあり、それ通りに仕事する。
→今は、編集者のアシスタントとして働いても一向に編集の能力は身につかない。ただ情報入力するだけ。ライター・編集者のコモディティ化が進んでいる

■編集者が作家に書きなおしをお願いするとき
・文章は読者のものなので、自己満足文章はダメ(成功した人が華々しい経歴だけ書いた「私の履歴書」ほどつまらないものはない)
・書きなおしをお願いできる信頼関係をその前に作っておくのが大事
→それまでの作品を引き合いに出して評価した上で、修正ポイントを伝える

■編集現場小ネタ
・フライデーの熱愛スクープは1回のチャンスをモノにしているのではなく、何度もカットを重ねて一番良いものを出している
→確証があるものしか出さない
・記事はチームで作る
→現場の取材記者が虫の目で被害者や加害者に入れ込むのはそれで良い。記事はチームで作るので一緒の集時半や編集者が鳥の目で偏りがないようにしていく
・女性編集者と男性作家、女性作家と男性編集者が一線越えることは多々ある
→社内のセクハラではないので、編集者自身が解決すべき問題。上司として相談されたら担当替えすれば良いが。
・企業スキャンダルをめぐって企業広報担当者と記者のやりとりはスリリング。
広報担当者は、記者が
①何を知っているか
②どこまで知ってるか
③どこまで書く気か
④情報源は誰か
を必死に索敵する
・小泉政権は情報操作が非常にうまかった。
①他の問題点には目を向けさせず、イシューを一点に絞って強行突破
②マスコミが喜ぶキャッチコピーを提供していた ex.人生いろいろ
・人間の根本原理は、物欲、性欲、名誉欲。それを書かないと面白くならない。
→政治家が躍起になって個人情報保護法を成立させようとしているのは、愛人スキャンダルをもみ消したいからかも、と疑ってみるのが大事

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感想投稿日 : 2017年6月3日
本棚登録日 : 2017年6月3日

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