金色のコルダ3 AnotherSky feat.神南 - PSP

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感想 : 10
4

【あらすじ】
幼き頃は”天才バイオリニスト”として名を馳せた主人公だが、今は凡庸な奏者。
バイオリンの道を諦められない彼女は、田舎の故郷を飛び出し神戸にある名門・神南高校へ編入する。
神南高校の仲間らとアンサンブルを組み、全国優勝を目指すべく奮闘する日々の中、主人公は次第に失っていた演奏者としての能力を取り戻し、自分の音楽を取り戻していく。


【主人公】
素直で、やや天然なところはありますが、周りが自身の才能を見限る中、自分を信じ先に進むこと決めることのできる芯の強い女の子。
フェミニスト揃いな神南高校の中で、男性陣に翻弄されるような場面もありながら、自身もそれに負けないくらいに彼らを翻弄していく強かさが可愛いです。
料理の腕カンスト。


【攻略対象】
華やかで大人っぽいフェミニストが揃った「神南高校」編。
●千秋
⇒お金持ちで我儘、唯我独尊、オレサマ。演者としてのプライドが高く、常に対価以上の満足を相手に与えようとする姿勢がカッコイイ。自信家で、自分の信念を貫き通すことができるのも魅力的。
●土岐
⇒気だるげなフェミニスト。「面倒臭い」「疲れる」といったコメントが子供の駄々ではなく気だるげに聞こえる位には大人っぽく色っぽいキャラクター。儚げな印象も。
●芹沢
⇒千秋・土岐の”付き人”で苦労人。優しいし何でも言うことを聞いてくれるけど、彼だって好きでやっているのではなく、ただ優しすぎて断れないんだよ…。
●律
⇒主人公の幼馴染で朴念仁な天才バイオリニスト。天然で物凄いことをしでかす。生真面目で、周りに一目置かれ慕われていることに気付かない方。
●大地
⇒縁の下の力持ちなフェミニスト。優しくマメ。ヴィオラがひけて、将来は医者、両親は開業医…という何気にトンデモスペック。


【システム・形式】
大筋は一本道。
コンクールの前に、
①演奏する曲目を選ぶ
②曲を練習して習熟度を上げる
③曲を仲間と演奏して完成度を上げる
ことが必要になります。
大会は、
A.期間中にどれだけ曲を仕上げられたか
B.音ゲー要素の「演奏」
…によって結果が出ます。

恋愛は「お目当ての彼に接近してイベントを起こしていく」タイプ。
メニュー⇒人物情報、から攻略ヒントと条件が閲覧可。
なお、芹沢以外のキャラには「逆注目ポイント」が設定されており、彼らが不得意な演奏のテイストで演奏し続けると「逆注目恋愛イベント」が発生していきます。
これにより、2通りの恋愛ストーリーが楽しめることになります。

チュートリアルと作中ヒントが優秀なため、乙女ゲーム初心者でも難なく攻略できる&進め方に困らない親切設計。
一方で、育成要素、作業要素(いかにゲーム性があるとはいえ…)があるので片手間に進めたい人には不向きです。


【ストーリー】
<<主軸>>
かつては優れた奏者として持て囃されていたはずなのに、いつの間にか凡庸で華のない演奏者になってしまった主人公が仲間との経験を経て成長し、一端の演奏者へ成長する物語。
これが、”ある日突然バイオリンの腕が上がっていて、エンディングで急に華を取り戻せてた”という感じではなく、段階を経て、少しずつ感覚を取り戻し、成長していくのが感じられたのが◎。

<<恋愛要素>>
一緒に演奏をしたり、彼に教わった解釈を使ったりすることで好感度が上昇、イベントが起きていきます。
今作ではコンクール中の音ゲーでマエストロフィールドを使うと全キャラの好感度を上げることができるのでイベントが比較的起こしやすい印象。

恋愛過程はネオロマらしく、とても丁寧。
どのキャラもしっかりと過程を踏んでいます。

「珠玉」ルートでは、彼に関わる問題についてピックアップ、主人公と一緒にいることでその問題を乗り越えていく姿が描かれ、なかでも千秋ルートと律ルートは内容が濃くとても良質。思わずウルっときます。
「逆注目」ルートでは、性格が自分とは反対な主人公に翻弄され、変わっていく彼のお話が楽しめます。
こちらはややコメディテイストで可愛らしいです。

どちらのルートを選んでも「この主人公でなくてはこういう結果にならなかったんだろうな」、と思えるあたり、ネオロマの主人公の扱いはやっぱり巧い。

アプローチの違うラブストーリーを楽しめるので、きちんと恋物語を堪能したい方に是非お勧めしたい仕様。
いやらしさはありませんが、フェミニストが多い「神南」、糖度は比較的高めです。


【感想】
操作・基本システムは「コルダ3」本編と変わりありませんが、各キャラクターをしっかりと掘り下げてくれるので、今作はとても面白いです。
「珠玉ルート」は彼の根幹に触れ、今後を感じさせるストーリー性の濃い内容、「逆注目ルート」は自分とは考え方の違う主人公に翻弄され好意を抱き変わっていく様が描かれるラブコメ。
いずれも過程が丁寧かつ初々しくてきちんと萌えどころがあります。テイストが異なる二通りのラブストーリーが楽しめるので、一度で2粒の面白さというか、オトク感があって◎。

主人公もひたむきで健気、けれど一本筋が通っていてブレないので好感が持てます。
スチルにしっかりと顔が描かれないので(後ろ向きや横顔、髪や構図で隠している)のでなるべく主人公はスチルに出てきて欲しくない!…という方にもお勧め。
無個性ではありませんけれども。(選択肢が自由なのである程度の幅はありますが、基本天然系ですし)
何より、今作では主人公の成長がしっかりと感じられたのが一番嬉しい!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 乙女ゲーム
感想投稿日 : 2015年4月10日
読了日 : 2015年4月10日
本棚登録日 : 2013年11月9日

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