間違いだらけのアトピー治療 (新潮新書 139)

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  • 新潮社 (2005年10月1日発売)
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“アトピーは一生治らない難病”という誤った認識を、メディアや経験不足の医師たちによって思い込まされている、アトピー患者向けに書かれたハウトゥ根治本。<br>
正しい治療=“ステロイド外用薬による適切な薬物治療によって”アトピーは完璧に治る!ということを筆者(アトピー治療の第一人者)竹原和彦医師が力説。<br>
脱ステロイド療法、厳格食事制限療法など、間違った治療法を宣伝するメディアへのバッシングとか、「アトピービジネス」(=科学的根拠に欠けた金儲け主義のインチキ療法で患者より金銭をだまし取る詐欺的行為)への嘲弄。また、竹原医師自身の経験或いは研究により結論づけた独自の治療法など、医療従事者の裏世界を垣間見ることが出来るので、医師薬剤師が読んでも面白い。<br><br>
個人的にオドロキだった事。“アトピー性皮膚炎といえばIgE抗体産生(アレルギー反応)が炎症を誘因する主体的反応”という今までの我が認識を竹原医師が覆したよ!氏によると「アトピー性皮膚炎の主体は、アレルギーではない刺激反応で、アレルギー反応は悪化の過程の一部に関与しているに過ぎない」…つまりIgE抗体産生がなにもアトピーに特異的な現象なわけじゃなく、むしろ健康人にだって起るあたりまえの反応であり…ま、ぶっちゃけるとIgEが原因となってるっていう説は信憑性ナッシング☆ということでした。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 教養(その他)
感想投稿日 : 2007年9月21日
本棚登録日 : 2007年9月21日

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