聖書を語る

  • 文藝春秋 (2014年1月10日発売)
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感想 : 4
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学部は違っても二人とも同志社大学の卒業生で、なおかつ宗派は違っても二人ともクリスチャンという佐藤優さんと中村うさぎさんが「聖書」について語り合う。
相変わらず佐藤氏の膨大な知識量・読書量に圧倒されつつ、中村さんについても(単なる傍若無人な変わった人だと思っていたのが、真面目な面もあり)かなり見直した。
同じプロテスタントでもカルヴァン派(佐藤氏)とバプティスト派(中村氏)で考え方がこんなにも違うのかと驚いた。
また、村上春樹氏の「1Q84」についても二人が真逆の考え方をしていて興味深い。
個人的には(クールで家庭的なものを否定し続けていた)青豆が(妊娠したことで)いきなり家庭的になるその根拠の薄弱性を指摘する中村さんの意見に賛同するが、佐藤氏の主張する「村上文学はヨーロッパ的」という解釈には目から鱗。
しかし、いつも思うのだが、佐藤氏の頭の中はどうなっているのだろう?同じ書物を読んでも理解力が尋常で無い上、記憶力もすさまじい。
そして、猫を溺愛する佐藤さんの姿が、本書でもちょっと垣間見られて嬉しかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 対談
感想投稿日 : 2014年12月13日
読了日 : 2014年12月13日
本棚登録日 : 2014年12月13日

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