六青みつみさんの作品の中でも最も痛々しく辛く重苦しい物語だと思います。
この「光の螺旋」シリーズはファンタジー物語としても地理や歴史などを含めとても魅力的で読み応えがあります。
が、BL作品として見た場合あまりにも受けが不幸すぎる…つらいです。
報われることのない想いをずっと幼なじみに抱いているカレスが、何故そこまで苦しまなくてはならないのか!?と悲しみでいっぱいになります。
BLではよく受けや攻めの恋路の邪魔をし意地悪をするようなキャラが出てきますが、例えばそのいわゆる当て馬キャラが本当にその人物を愛していた場合、受けと攻めがハッピーエンドになった後、その当て馬キャラはどうなってしまうのか?という問題をここまで真摯に描いた作品は他に類をみないのではないかと思います。
数年前に購入してあまりにつらい内容なので積んでいたのですが、改めて読むとそのつらさの中にもとても美しい描写であったり、胸をしめつけるような感情があり読んでいて何度も切なくなりました。
この後続編の「ruin 緑の日々」で救いがあると良いのですが……いささか不安が…。
カレスが想いを寄せているライオネルとその恋人のエリヤについては「一枚の絵」という作品でメインになっています。こちらを先に読んでいたので、ライオネルのことも憎めないんですよね…いくらなんでも鈍感すぎるだろ!と言いたいですけど(笑)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2012年8月14日
- 読了日 : 2012年8月14日
- 本棚登録日 : 2012年7月18日
みんなの感想をみる