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- / ISBN・EAN: 4523215021234
感想・レビュー・書評
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ただのドキュメンタリーとしても優れているし、311を経た日本にとっては、作られた当時よりも重要な意味を持つ作品だ。
日本、イラク、アメリカの低線量被爆者についてのドキュメンタリー。
日本の世界の終わりはもう来てしまった。いや、東日本にとっての世界の終わりかな。南の方は、あんまりピンと来てないみたいだ。
ボードマン 若い医師向けに、ヒバクシャ医療のガイドブックを書いた。低線量被爆は、非定型性症候群を引き起こす。
ハンフォード。アメリカの農村。村?とにかく畑がいっぱいで、地平線が見える所。地平線が見えるだけで、ものすごく感動してしまう。うわああ地平線!地平線だよ!!って。北海道の人はそうでもないのかな?
現地の人との会合で、アメリカの大学では、原爆はソ連への示威行為だったと教えているという発言があった。その発言をした女性は、続けて「日本の人には迷惑な話よね」と言ったけど、迷惑どころの話じゃないよ!!!
原爆傷害調査委員会(ABCC)は、アメリカでは被爆者の治療をしたと思われているのか。被爆した人たちをモルモットのように扱って検査しただけだ。
地元の医師がデータの公開を求めても応じないどころか、警察に逮捕させた。
マクドナルドでの食事のシーンで、道路を隔てた壁に大きく「ATOMIC FOODS」と書かれていて、何の冗談かと思った。この地域にとって「ATOMIC」は、地域経済を救う救世主なんだ。その後で「ATOMIC BAR」が出てきて、プルトニウムエールとかいうオリジナルビールが紹介されていた。狂ってる。
放射能は金網より向こうには行かないから大丈夫という説明には呆れた。ハンフォードの優秀な科学者達は放射能との間に、金網の向こうへは行かないでくれって紳士協定でも結んだの?
日本はチェルノブイリの10年後にガン患者が爆発的に増えた。ガンが増えた理由を、メディアは平均寿命が延びたからだと説明しているし、とくに疑うこともなく信じていたけれど、被爆したからガンが増えたのか?
全世界で見たらどうなんだろう。チェルノブイリ後にガンは増えた?
前にチェルノブイリと福島のドキュメンタリーを見た。その映画の中では、チェルノブイリ周辺の町の人が、この街に健康な子どもはいないと言っていた。信じ難く思っていたけれど、大げさじゃなく事実なのかも。だとしたら、日本は病人だらけになる。子ども達の間の病気が、これからは異常に増えていく。そういえば、そんなニュースを見た気もする。
8月18日に長崎に入った女性が出てきた。当時は4歳。
彼女も被爆者だ。9日経ってから被爆地へ入った人も被爆してしまったんだ。
今、佐々木雄一郎の写真集を読んでいる。彼も18日に広島へ入ったって。彼も低線量被爆した?
広島へ来た進駐軍は?
世界を豊かに見るためには外国語を身につけることがどうしても必要だ。
原爆が投下された地点から2kmより外にいた人は被爆者じゃない。(今は3km)だから政府はその他の人のために何もしない。それが政治。政治ってくだらないな。政治が決める優先順位はおかしいよ。
低線量被爆者の訴えは今も退けられ続けている?だとしたらそれは、311の影響で将来起こるであろう、被爆による健康被害の責任から逃れるためではないのか。
イラクのこと、もっと知りたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界の被爆者たちのリアルな声を集めたドキュメンタリー
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市の図書館の上映会で観ました。
イラクに落とされた劣化ウラン弾の話は聞いたことがあるのだけれど頭に残ってなくて、新鮮でした。
世界中に低線量の放射線は散らばっていて回避は被曝は少なからずしているんだなあという意識になりました。
できるだけ回避したほうがいいんだろうけど、無理して避ける事よりもストレスを感じない生き方を考えたほうがいいと思いました。 -
わたしはやっぱりドキュメンタリーは嫌いだと思う。
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圧倒的。個人的には、人生観変わるほどの衝撃。
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「ヒバクシャ」とのタイトルを聞くと、広島、長崎での原爆投下を思い出す人が多いかもしれない。この映画は劣化ウラン弾の後遺症に悩む子供たちの姿から始まる。
劣化ウラン弾は原発に使われる濃縮ウランの製造過程で生まれる廃棄物の劣化ウランを使用したもので、高熱を発することから厚い金属を貫通する強力な武器。
1991年の湾岸戦争で初めて使用され、2003年からのイラク戦争でも3000トン程度使われたと言われる。その残留物からはいまだに強い放射性物質を発し、白血病やがんに苦しむ子供たちが急増している。
放射能被害はふたつのタイプがある。広島・長崎の原爆による犠牲者は「被爆者」で、イラクの子供たちのように直接、爆発の影響を受けていないにもかかわらず、健康被害を受けてしまった者は「被曝者」である。
カタカナでの「ヒバクシャ」は2つのタイプを包括している。現在、世界中には1000万人以上のヒバクシャがおり、それは増え続けているという。
映画は3つの国が舞台になっている。イラクから始まり、原爆が作られた米核施設があるワシントン州ハンフォード、長崎へと移っていく。
ハンフォードの核施設の風下の農業地帯で暮らす米農業従事者の健康被害のさまは想像を越えて深刻だ。地元住民は「死の1マイル」と呼ばれる地域を案内する。家々をさして、「ここの妻はがんで死んだ」「ここの妻もがんで死んだ」という。死人と重度の病人しかいない。しかし、米国は核施設と周辺住民の健康被害には因果関係が認められないとして、補償さえも拒んでいる、という。
さらに衝撃的なのは、ここで作られた作物は日本にも輸出されている、ということだ。映画はイラク、米国、日本と3つの国をつなぐことによって、特定の地域、特殊な事情にある人々の問題ではなく、人類共通の問題であることを提起している。しかしながら、製作側の「語り口」(演出)はもの静か。それだけに、観客側に考えるだけの「空白」を与えてくれている。
ここで描かれていることは、監督の鎌仲ひとみ氏と映画にも登場する元日本軍軍医で自身もヒバクシャである肥田舜太郎氏による著書「内部被曝の脅威」でも書かれている。しかし、改めて映像で見ると、生々しく胸に迫ってくる。
特典映像の「帰還兵メリッサの証言」も必見。イラク戦争に参加した女性兵士も原因不明の病に苦しんでいるという。 -
イラク戦争では、プルトニウムの廃棄物を使った爆弾が
落とされた。
そこでは白血病やガンといった病が急増。
それでも医学的に実証できないということで
ほったらかしにされている現状がある。
彼らもまたヒバクシャなのだ。
隠された事実、
知らなければならない事実、
直視しべき事実がある。
多くの人に見てほしい力作。