珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社 (2014年3月24日発売)
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今回は、関西バリスタコンペティション、略してKBCに美星が参加することになります。

ところが、参加者たちのコーヒーに異物が混入されるという事件が起こってしまいます。さらに、過去の大会でも同様の事件が起こり、それ以来、美星も憧れていた天才バリスタの千家諒(せんけ・りょう)が引退していたことが明らかになります。美星は、大会にまつわる参加者たちのさまざまな思惑の絡み合いを鋭い推理力で解きほぐし、事件の真相に迫っていきます。

今回も、ミステリとしてはしっかりとした構成を持つ作品になっていますが、コーヒーに情熱を注ぐバリスタたちの姿がどのように描かれているのかということにも、読者の目が注がれる内容ではないかという気がします。そういう観点から見ると、いかにもミステリ的に造型されたキャラクターに、やや平板さを感じてしまったのも事実です。ライト・ミステリに登場するキャラクターに対してこのような要求は筋違いのような気もするのですが、作品中で示されるコーヒーに関する著者の造詣にも期待している読者としては、やや不満を覚えます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説・エッセイ
感想投稿日 : 2016年3月27日
読了日 : -
本棚登録日 : 2016年3月27日

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